世界を支える人たち
物語の主人公や登場人物以外の人たちです。
農民や商人の他に、工人がいます。
こうした大多数の一般人がいて、王侯貴族、聖職者、兵士がいて、冒険者やならず者たちが存在するのがファンタジー世界の社会構造となっているはずです。
更にファンタジー色が強くなると、異種族や魔物も存在するようになり、人々は魔物から身を守る為に村落や都市の周囲を柵や壁で囲い、自警団を組織しているという設定にも繋がります。
このように社会構造が明らかになって来ると、冒険者の立場も変わります。
魔物が一般的に存在する世界では、用心棒などに雇われ、一つの職業として確立しているでしょう。
しかし魔物が稀な世界では、胡散臭い旅人や流れ者として、人々から忌避されます。
冒険者の立場を決めるのは、大多数の一般人の考え方です。
平和な時代には冒険者は忌避され、魔王の侵略が始まった世界では好意的に迎えられるでしょう。
そうした社会風潮も盛り込めば深みのある描写ができるはずです。
私はゲームデザイナーを目指してリアリティを追求して来ましたので、こういう細かい設定作りが大好きです。
農民が耕作して育てる農産物の種類や、主食となる穀物、主菜や副菜には何を食べるのか、などの設定。
調理方法や食事の作法、食器などは何を使っているのかなども大切です。最近のファンタジー世界は文化的に先進的で、辺境地でも「フォーク」を使用している事例を見掛けます。地球上には現代でも手掴みで食事している人々が四割近く存在することを参考にすると、ファンタジー世界は先進的な世界です。
服装も気候風土に合わせた仕立てになりますから、中世は服装を見ただけでどこから来たのか明らかになる場合もありました。
建物についても煉瓦、石、木など気候風土に合わせた造りになりますし、それぞれの建築様式があります。
こうした設定を考えるのは大変ですし、描写は繁雑になりますので省略しても構わないでしょう。
けれども、映像化を見据えているのならば、こうした設定をある程度は考えておくのが良いと思います。
私の場合は設定オタクなので、ご了承下さい。