あじさい忌
七月十七日に起こった出来事を調べていたら、昭和六十二年に石原裕次郎が亡くなり、翌年はプロレスラーのブルーザー・ブロディが亡くなっていました。
ブルーザー・ブロディというレスラーは、「超獣」と呼ばれるほどのファイトスタイルで、入場時にはチェーンを振り回していました。
ワンハンド・ボディスラム、ブレーンバスター、パイルドライバー、アトミックドロップなどの投げ技や、ドロップキック、フライング・ボディアタック、ニー・ドロップ、ギロチン・ドロップなどの飛び技、キングコング・キックと呼ばれる蹴り技など、関節技や固め技以外の見た目にも派手な技を繰り出すパワースタイルのレスラーでした。
ギロチン・ドロップやニー・ドロップは時としてコーナーポスト最上段から敢行するなど、その巨体(身長2m弱)からは想像できない軽快な動きが魅力でした。
スタン・ハンセンとタッグを組んで、我が国のリングを沸かせたものです。
さて、表題の「あじさい忌」とは、石原裕次郎があじさいを好んだことから名付けられました。
石原裕次郎のデビューは、兄・慎太郎の芥川賞受賞作品『太陽の季節』の映画で、端役出演でした。
その後、同じく兄・慎太郎が原作の『狂った果実』で主演を務め、『嵐を呼ぶ男』でスターの地位を確立し、歌手としても俳優としても成功を収めます。
石原プロモーションを設立して、『太陽にほえろ!』『大都会』『西部警察』などの警察官を主役としたテレビドラマの制作や、『黒部の太陽』のようなドキュメンタリー映画の制作などを手掛け、国民的スターとして人気を確立しました。
そんな裕次郎も、癌で亡くなり三十年余りが過ぎました。
石原プロモーションは年内に解散するそうです。
一つの伝説が、また幕を降ろします。