狐と狸
狸と狐で、圧倒的に狐の人気が高い理由を考えてみました。
まず、神様との関連で知名度に圧倒的な差がありました。
狸の神様に「隠神刑部」がいらっしゃるのですが、知っている方がどれほどいらっしゃるのか疑問です。
私も知りませんでした。
狐の神様は「お稲荷さん」で有名ですね。
次に古典物語での扱いです。
狸伝説は上記の「隠神刑部」を描く『八百八狸物語』、『分福茶釜』、『證誠寺の狸伝説』の三大説話の他、『阿波狸合戦』、『カチカチ山』など地方での説話が多くあります。
狐は『葛葉』や『玉藻前』などの伝承が中央付近で残り、また狐が女性に化けて結婚するなどの類型があります。
狐も狸も犬科の動物ですが、狐が西洋にも広く分布する動物であるのに対して、狸は東アジアの一部に生息する動物という違いもあるかもしれません。
また、狸と言いながら貉であったり穴熊であったり、逆に狸を貉と呼んだりと、地域によって呼び名が錯綜としています。
アニメや漫画となると、狸は『平成狸合戦ポンポコ』ぐらいでしょうね。
狐は、『幽遊白書』の蔵馬、『地獄先生ぬ~べ~』の玉藻、『世話やきキツネの仙狐さん』と、スラスラ出て来ます。
特に『仙狐さん』の「スーパー仙狐さんタイム」は、あらゆる決意を揺るがす危険な映像ですので、就寝前に視聴するのがオススメです。
決して、朝の出勤前や就業前に見てはなりません。あのモッフモフの尻尾が危険なのじゃあ。
そして食べ物。
狐と言えば油揚げというのは全国共通ですが、狸については統一見解がありません。
関東では、油揚げがキツネ、天かすがタヌキと呼ばれ、うどんと蕎麦の双方にトッピングされます。
ところが大阪では、キツネと言えばキツネうどん、タヌキと言えばタヌキ蕎麦で、どちらも油揚げが乗ります。
更に京都では、刻んだ油揚げを乗せますが、このキツネうどんにとろみのついた餡をかけるとタヌキうどんに化けます。
九州、四国、中国地方は更に変わるそうです。
こうした特定の食品と結び付けられない、タヌキの人気が上がらないのは必然かもしれません。
駄菓子菓子、タヌキケーキや金長まんじゅうなど、お菓子類には狸が人気のようです。
狐と狸の化かし合いは今後も続くでしょう。




