たいせい
「たいせい」と読む熟語は耐性、胎生、対生、大声、大成、大聖、大政、大勢、態勢、体勢、体制、退勢、頽勢などです。
・耐性:病原菌などが一定の薬物に抵抗して生きてゆく性質
・胎生:動物の子が母体の中である程度発育し、親と同じ形の個体で生まれること
・対生:植物の葉が各節に二枚ずつ相対してつくこと
・大声:大きな声
・大成:①完全にしとげる ②多くのものを集めて一つのものにまとめること ③大きな成功を収めること
・大聖:非常に徳の高い聖人
・大政:天下の政治
・大勢:①おおよその有様 ②世の成り行き
・退勢・頽勢:勢いが弱まり衰えるさま
使い分けが必要な語句は以下の三語ですね。
・体制:①生き物の各部がその機能を営みつつ、全体が統一された一個体として機能して行くという組織。 ②社会・団体の組織の在り方。 ③ある勢力が支配する状態。
・態勢:ある物事に対する身構え。対応する姿勢。
・体勢:身体の構え。姿勢。
「体制」は国家・社会・組織の仕組みや様式の意味で、「資本主義体制」「非常時体制」「反体制運動」などと使われます。
「態勢」はある物事・状況に対する身構えや態度の意味で、「量産態勢に入る」「受け入れ態勢を整える」などと使われます。
総じて長期的な仕組みについては「体制」、一時的・臨時対応については「態勢」を使います。
「体勢」は、運動・力仕事などをする場合の身体の構え・姿勢の意味で、「体勢が崩れる」「体勢を立て直す」などと使います。
判断し辛いのが、「突発的な災害で政府の『たいせい』が崩れ、非常時『たいせい』を執って、『たいせい』を立て直した」という文章ですね。
個人的には「政府の体勢が崩れ、非常時態勢を執って、体勢を立て直した」としたいですが、非常時体制でも良いような気もしますし、悩ましい語句です。