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風神天翔記 ~とある修羅の転生事情~  作者: 仏ょも
四章。尾張統治と下準備編~
101/127

???話。細川日記⑤

ネタです。基本的に細川日記はギャグ時空だと割り切って下さい。オナシャス!

佐渡沖。


「や、やいやいやい!命が惜しければ金と積み荷を置いていけぃ!」


あの後、何事も無かったかのように輪島を出港した船団は、直江津まであと僅かと言う所で、海賊に襲われていた。


旗印もない船が三隻ほど近付いてきたと思ったら、いきなり弓で攻撃をして来たことには流石の藤孝も驚いたが、咄嗟に二指真空把でカウンターを決めて、射手を一人始末したのは流石の腕前と言えよう。


そんな予想外の一撃で仲間を一人殺され「あれ?コレってなんかヤバくない?」と思い始めたのか、向こうの頭目はすでに腰が引けているようにも見える。


とは言えソレは向こうの事情。現在自分たちが襲われていることには違いはない。


「やれやれ。もう少しで直江津だと言うのに、ココで海賊が出るとはな」


と言うかコイツ等ってアレだろ?佐渡の本間の関係者だろ?花の〇次でアレな感じだったヤツ。


「まぁこのご時世、賊なんざどこにでも居るもんだ」


吾作は戦闘準備をしながらもやや呆れ顔だな。この呆れ顔はアレだよな。阿呆な相手の海賊に向けたモノだよな?何も聞かずに相手を殺した俺に対するモノじゃないよな?


そんな藤孝の内心の焦りはともかくとして、流石にこんなマイナーな連中の船標は無いから襲われるのは仕方が無い。とは言え、無抵抗で金や積み荷をやる程この時代の商人は甘くない。


さらにコチラの船団には自分や吾作のように戦える者も居る。つまりこの場合、コチラの商人が取る選択肢は以下の三つ。


1・自分たちで戦う

2・用心棒に任せる

3・とりあえず生 (首)


となる。


非常にサツバツとしているが、この時代はこんなものである。


もしも向こうが「自分たちは本間某の配下だ!積み荷を改める!」とか言って、正式に領主としての権限を使って来るなら多少の融通を利かせたかも知れないが、こうして荷や金を全部持って行こうとするならタダの賊だ。


古来より賊に容赦の必要など無い。で、方針が決まればあとは役割分担だ。


「なぁ兄さん。兄さんは弓は使えるか?」


「無論」


どうやら吾作はこの船団の荒事の担当者だったらしく、当たり前に商人から指揮権を預かっていた。まぁ世の中には魚屋の田中さん(千利休)のように自ら武器を取って戦う商人などごまんと居るのだが、この船団を率いる商人はそう言うタイプでは無いらしい。


それはそれとして弓に関しての質問が来たので、しっかりと頷く藤孝。


当然リアルチート・ホソカワに不可能は無い


流石に誾千代(どこぞの白髪ロリ)のように1町半(およそ150メートル)離れた城の狭間を射貫くような真似は出来ないが(練習すれば出来るだろうが、ぶっつけは無理)三十三間堂で奉納の矢を射るくらいの腕前なら有るし、矢で矢を射落とすのも問題なく出来る程度の腕は有るので、修羅基準では一流とは言えないかもしれないが一人前と言っていいレベルで弓も使える。


戦船を沈める?まぁ当たり所が良ければ行けるんじゃない?程度の実力と言えばわかりやすいだろうか。


「なら兄さんは弓で頼む。接舷される前に出来るだけ潰してもらいたい。もし接舷されたら……」


「それは構わんが、相手はたかだか3隻だぞ?」


「たかだかって。まぁそうだが」


「船員を殺すのは構わんが、別に船ごと沈めてしまっても良いのだろう?」


「「「………」」」


吾作以下戦闘要員全員が「何言ってんだコイツ」的な目を向けるが、当の藤孝は「俺、なんか変なこと言っちゃいました?」と言わんばかりの顔をしている。


どうやら彼の中で船を沈めるのはそれほど難しいことではないようだ。


え?さっきと言っていることが違う?甘い。藤孝にとっての戦船は関船や安宅船であって、断じて連中が乗るような北前船以下の手こぎボートではないのだ。


「いや、兄さん。沈めるって言うけどよぉ」


「あの程度なら問題あるまい。槍……はないだろうから、(もり)を借りたい」


「……はぁ。おい、銛を持ってこい」


「へ、へい!」


自信満々の藤孝を見て吾作は「もう勝手にしろ」と言わんばかりに溜め息を吐いて、水夫に銛を持ってくるように指示を出した。実際藤孝の実力なら銛で敵の船員を狙い撃つことも出来るだろうから、船を沈める云々は別にしても全くの損ではないと言う判断も有る。


前の輪島と違い、今回は何ら遠慮の必要が無い相手だ。藤孝はようやく訪れた好機(溜まりに溜まったストレスを解消できる場)を提供してくれたことで、海賊に感謝すらしていたと言う。



―――――


ドガン。


そんな音が海上に鳴り響くと同時に、三隻あった船の内、向かって右側の船の船体に穴が空いていた。


「は?」


ゴガン。


「え?」


さらに似たような音がしたと思ったら、左の船の船体にも穴が空いている。さらにその穴は調度喫水線の部分であり、波が生じる度に少しずつ船が浸水していくような場所である。


その一撃はその部分より下なら海に衝撃を殺され、これより上ならただの穴で終わると言う、実にギリギリの部分を突いていた。


この位置に穴を開けられた以上彼らの船は遠からず沈没することが確定してしまう。こちらの口上(脅し)に対して向こうが取ったのは有無を言わさぬ迎撃だった。


しかもその攻撃は脅しでもなんでもなく「例え数十人の兵士が乗っていようと接舷できなければ関係ないだろう?」と言わんばかりの非情な攻撃だ。開幕にこの攻撃を加えることで、こちらの戦力を奪いつつ退路を断つと言うまさしく鬼畜の所業である。


「ふはははははははは!天罰であるっ!」


そんな笑い声を上げながら彼らの船にとって致命の一撃を加えたのは、獲物として狙っていた船団の先頭の船に乗る、最初の威嚇射撃を掴んで反撃してきた武士っぽい男だった。


「てめぇ!なんてことしやがるっ!」


こっちは荷物さえ貰えれば黙って通してやろうとしていたにも関わらず、迷わず船を破壊しに来るなど、それが海の男がやることか!と声を荒らげる賊。


色々突っ込みどころがあるが、この時代のモラル等こんなものだ。


「今すぐ船を捨てれば助かるぞ?まぁ泳いでいるところを狙い撃つから、どちらにせよ生きて帰れる可能性は無いがな!」


「「「「鬼かっ!」」」」


「ふははははサメの餌となれぃ!」


「「「うぉい?!」」」


一人残らず殺す宣言をする相手の武士に対し、賊側の人間だけでなく商船からも非難の声が上がる。まぁ一歩間違えれば彼らも賊側になっていた可能性も有るので、心情的に他人事ではないのだろう。


「ひとーつ。人様の積荷を狙い!」


そんなツッコミを物ともせず、船首に立って何やら猿楽めいたセリフ回しをする武士。こいつ。ノリノリである。


「ふたーつ。褌姿の悪行三昧!」


正確には褌の上に上着を装備しているので、褌だけではないのだが、誤差だろう。


「みぃっつ。醜いおっさんの賊どもを!」


醜くなければどうなっていたと言うのか。まさかアッーーー!なことでもしようと言うのか?彼の声を聞いた全員が尻に肌寒さを感じる。


「退治してくれよう、きんたるぉう(金太郎)!!」


言い切った!と言わんばかりに良い顔をする武士だが、残念ながらこの時代には金太郎=坂田金時と言う常識はないし、そもそも坂田金時を知る賊等こんなところには居ない。


よってこの場の全員は、彼の名が金太郎だと思うに留めてしまう。


「こ、殺せぇ!ヤツを殺して船を奪えぇ!!ガッ?!」


「「「お、お頭ぁ?!」」」


そしてそれよりも何よりも重要なのが船だ。まだ沈んではいないが、このままでは日本海に投げ出されることになる海賊たちは、商船を奪う以外に生き延びる方法がない。


その為なんとかして船を奪おうとするのだが……


「阿呆が!賊ごときがこの里見金太郎に勝てると思うてか!」


すでに射程に入っていると知りながら「自分が指揮官です」と言わんばかりに大声で命令を出すなど自殺行為でしかない。そんな自殺行為に対する報いは矢だ。


いつの間にか持っていた弓により狙われたお頭の頭には、いつの間にか矢が突き刺さっていたと言う。


「そらそらそらそら!逃げねば当たるぞ?当たれば死ぬぞ?」


「「「「う、うわぁぁぁ!!」」」」


いきなりお頭が殺されたことで頭が真っ白になる賊を目掛けて、さらに笑顔で矢を打ち込む自称金太郎。たまに火矢が混じっているのがタチが悪い。


「こ、こんなところにいられるか!俺は逃げるぞ!」


そんなキチ●イから逃れようと、自分から海へ飛び込もうとする賊だが、残念ながらそれもフラグだ。


「逃がさん!」


「ぎゃぁ!」


「「「……うわぁ」」」


浸水しながら燃え上がる船と、笑顔で矢を居かけてくる鬼の手からなんとかして逃げようと海へ飛び込んだ賊は、着水前に頭に矢を受けて絶命し、その姿のままプカ~と海面に浮かび上がる。


この、逃げ出す瞬間を狙い撃つと言うハイレベルな外道技を見て、賊とは違う意味で「うわぁ」となる商船の者たち。


もはや戦の趨勢は決まった。と言うか最初から戦になどなっていなかった。彼らの最大の不幸は、足利が誇るリアルチートが商船に載っていて、さらに自重を忘れていたことだろう。


この日、佐渡に本拠地を構える本間海賊は全滅した。本拠に残った女たちはいつまで経っても帰らぬ男たちの安否を気遣い。幼子たちは腹を空かせて泣き喚く。


海で戦う男たちは故郷の者たちに何を賭け、何を残したのか。


少なくとも里見金太郎の名は彼ら・彼女らにとっての怨敵の名前として魂に刻まれることになったと言う。



――――



数日後 越後春日山城。


「殿、なんでも直江津の沖合で佐渡の海賊が里見の者に滅ぼされたようですぞ」


「そうか(え?里見?何で連中がこっちに?関東攻めの催促?うーん。今川も三河から兵を退いたみたいだし、そろそろ動いた方が良いのかな?でも関白殿下が戻って来てないし。て言うか、三河守さんが怒ってたらどうしよう。怒られる前に謝った方が良いかなぁ)」



どうやら藤孝の中の人は桃太郎侍が里見浩○朗主演だと勘違いしているもよう。里見に風評被害がががががってお話。


やりたかっただけとも言う。



――――


違うんです。絹ごしメンタルな作者は三國志のスタートダッシュがアレすぎて、もし②とか続。とかで更新再開した場合、ご祝儀目当てって言われるのが怖かったんです。


そんなわけでコッチで更新しました。今のところ5章に入る予定は無し。幕間やネタのみ投稿予定でごわす。


と言うか投稿しなくてもポイント入ってるって不思議ですよね。相乗効果とでも言うのでしょうか?


クソザコナメクジメンタルと言えば、魚とナメクジに失礼な程に貧弱な作者のメンタルを舐めるなよ!



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