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それでも俺は恋がしたい  作者: 明智龍獅
2/6

不運で不幸で最悪だ

神々しい太陽に目を阻まれた俺は、何か細長い感じのものを踏んだ気がする。

 「わぎゅっっっっっ」

 微妙でへんてこな悲鳴が聞こえ神々しい太陽の光に慣れてきた俺は、目をゆっくり開けた。

俺の目の前には、凶悪な目つきをした見るからに凶暴なチワワがいた。

「わんわん」

この凶暴なチワワは、俺に吠えると睨みつけるのダブル攻撃で俺をひるませてきた。

殺意にまみれた凶悪なチワワの怒っている原因は、言うまでもない。

俺の足元で紙のようにペラペラになってしまった、チワワの尻尾である。

怒るのも無理はない。

俺が犬の立場なら、尻尾を踏んだ人間をかみ砕いて、まともに生きられないように地獄へ叩き落すところだろう。

だからこそ俺は、逃げる。

都合のいいことにあの犬には、ちゃんとお連れのおばあちゃん(飼い主)がいたのだ。

おばあちゃんは、手綱をちゃんと持ち、チワワの動きを拘束する。

殺意持って俺を食い殺そうとする怒り狂ったチワワは、俺を追いかけようとするも自分がつけている首輪のせいで、手綱の限界距離から一歩も進むことはできなかった。

 ありがとうおばあちゃん、そしてこの哀れな邪犬よ、もう二度と会うことは、無いだろう。さらば

「ハハハハハハハハハハハァァァァァァーーーーーーーー」

 今日一つ目の難関クリアだぜ!

……のはずなのだが、どういうことだろう?スキップしながらその場を離れたとはいえ、差がまったく縮まらない気がする。

 スキップの速度は、ダッシュよりはるかに遅いだろう、だがしかし、差が縮まってない気がするのは、どうしてだろう?そして俺のスキップは、ダッシュに近づいてきてないか?

 俺の直感が脳に伝達されて、後方に目がいく。

 あれえぇ?!

 この邪犬が勢いよく前進てるんだがどうなってるんだ?

 顔が360度回転しそうなくらいの驚きである。

 手綱も驚きで蛇みたいにクルクル螺旋になってるぞー

「え?」

 手綱は、おばあちゃんがちゃんと握ってたハズでは?

その時、おばあさんは、息切れしながらくたばっていた。

「ペットの面倒見れないなら飼うんじゃねー、俺の感謝かえせーー」

 俺は、叫びながら、邪犬から全力で逃げた。

 この邪犬は、そんなに俺を殺したいのか、いつまでも追ってきた。

 


学校の門が見えるまで俺は、ドブに足を突っ込んだり、空き缶につまづいて転んだり、工事現場で使われる鉄の塊が目の前に降ってくるなどのいつも通りの難関に当り前のように相手しながら、走っていた。

「やっと校門だ!俺の勝利ぃぃー」

 ガツンッ

 足元の石につまづき俺の身体は、いつの間にか宙に浮いていた。

 猛スピードで走って来たことにより俺の身体は転ぶを上回り宙に浮いてしまったのだ。

 何とも不運である。それしか言いようがない。

宙に浮いてる時間は、とても長く感じるものだ。

実際は、コンマ数秒浮いていたとしても本人の体感時間は、実際の10倍くらいに感じるのだ。

まるで空でも飛んでいるのではないかと疑ってしまう程のみじめな瞬間である。

目の前に歩いているツヤツヤとした長い髪の金髪美少女。俺の目は、その美しい可憐なる少女に釘づけである。

ただし、意味が違う。

俺は、見とれてるわけではない。今の状態で次起きることは、想像できる。

俺の不運は、石につまづいて宙に浮くだけでは、許してはくれない。何らかのアクシデントが起こるに決まってる。

俺は、必死に腹の底から声を出してその少女にこれからのピンチを簡潔に明白にそして、次に何をするのかを伝えた。

「あぶねーよけろーーーー!!」

 とっても分かりやすい。幼稚園児でもできてしまう。俺って、天才。

少女は、俺の方を振り向きとっさに重心を左に動かす。

もう、余裕で避けれそうだ。わーい俺のおかげで美少女を救えたぞー。

俺の脳内が喜びで溢れてる際、彼女は、重心のバランスを崩して後方に向けてこけた(・・・)のだった。

 ああフラグがたった。やはり、俺の不運は許してくれない。

 不運で不幸で最悪だーーーーーーーー!!


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