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俺と緋乃さんの魔法部隊  作者: 空乃そら
第3章 条件
27/49

27.


 「凄い人の数ですね……」



 学級委員長が足を止めた場所――校庭のグラウンドにいる人の数に思わずそんな言葉が出る。結局、無理やり逃げるわけにも行かず、私はそのまま学級委員長の後に着いて行くことしか出来なかった。もちろん事情を説明しようとしたが、聞いてもらえなかったので諦めることにしたのだ。



 ――どうやら教員の方に説明するしかないみたいですね。

それが私の出した結論だった。学級委員長にサボっていた生徒と認識されてしまった以上、彼にいくら説明しても聞いてはもらえない。ならば大人しく着いて行って、そこにいる教員の方と話すのが最適だと思ったのだ。さすがに教員の方ならば、生徒と部外者を間違えたりしないだろう。そしてどうやら学級委員長の話だとこの後は実技、つまり戦闘の訓練をする授業らしいので、教員の方がいないというのはありえないはずだ。




 「そりゃ全校生徒の合同授業だからな。人が多いのは当然だろう」 



 どうやら隣にいた学級委員長には私のひとり言が聞こえてしまったようで、そのまま説明してくれた。



 「お前、その様子じゃ今日のホームルームのときの説明聞いてなかったな? これは実戦の舞踏会(プラクティキ・フロ―シュ)のメンバーを決める大切な授業なんだぞ」



 「実戦の舞踏会(プラクティキ・フロ―シュ)?」



 「おいおい……。まさか実戦の舞踏会(プラクティキ・フロ―シュ)を知らないなんて言うんじゃないよな?」



 「いえ、すみませんが……。良かったら説明してもらえませんか?」



 もちろんここの生徒でない私がそんなものを知るはずがない。聞いたのも初めてだ。きっと学校で行われる行事みたいなものなのだろう。正直なところ部外者の私がそんなことを知らなくても問題はないのだが――その行事の名前がどうしてか気になった。



 実戦の舞踏会(プラクティキ・フロ―シュ)。実戦、というのは言葉のままの意味だろう。しかし舞踏会とはどういうことなのだろうか? まさか戦いながら踊るわけではないだろうし……。



 「まあ、説明するのは別に構わないが……。実戦の舞踏会(プラクティキ・フロ―シュ)は育成学校同士の交流会のことだ。でもただの交流会じゃなくて、そこで他校同士が実戦形式で試合をするんだよ。まあ、部活とかの大会みたいなもんだ」



 「実戦形式で試合……」



 「ああ。しかも、ただ試合して終わりってわけじゃないからな。それで今後の俺たちの進路まで決まっちまう」



 「進路? 大会でそんなことまで決定しちゃうんですか?」



 私が思ったことをそのまま口に出すと、委員長ははぁーと盛大なため息を吐いた。



 「本当に何も知らないんだな。いいか、交流会で成績が悪いと学校自体の評価が下がるんだよ」



 つまり成績が悪いということは試合に負けたということだから、あの学校は教育がなってないとか言われてしまうということだろう。育成学校は普通の学校と違い、学力よりも実力が伴われるのでそれは仕方ないことなのかもしない。しかし、


 「いくら学校の評価が下がっても、それは学校の問題で生徒にはあまり関係ないんじゃないですか?」



 まあ進学や就職するときに実力のない学校と思われるよりは、力があると思われたほうがいいだろうが……、結局のところ試験のときにどれだけ良い評価がもらえるかだと思う。さすがに試験で満点の生徒を在籍していた学校が悪いからという理由で落とすわけないだろうし。



 「何言ってんだ。そんなの育成学校なんだから当たり前だろ」


 「どういうことでしょう?」


 「育成学校は普通の学校より優遇されてるからな……。そのぶん、ちゃんと結果を残さないといけないんだ。成績があまりに悪かったら廃校もありえるし、どんなに成績が良くても進路が本当になくなる」



 「そうなんですか……」



 確かに育成学校は他の学校よりも優遇されている。校舎はきれいで大きいし、グラウンドの設備も十分。おまけにここに来るまでにテニスコートに野球場、それにゴルフ場まで見つけた。しかもどれもかなりの大きさだ。


 ――どんなものもタダでは手に入らないということですね……。


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