十六歳の俺とオーガキング:別視点
新年最初の投稿です。
今年も宜しくお願いします。
〜ラディス、ケティス、ドイルside〜
ラディス、ケティス、ドイルは、キョーヤとティスカが左右のオーガ達を殲滅し、中央のオーガ達へと視線を向けている頃そのキョーヤ達へと視線を向けていた。
「いよいよオーガキング達との戦いだな。」
「うん、大丈夫かなぁ。」
「あの強さなら問題ないでしょう。」
「なんか兄ちゃん達笑ってないか?」
「ホントだ笑ってるね。」
「随分と余裕がありますね。」
冗談を言って笑いあっているキョーヤ達を見て、三人が驚き唖然としているとテーニとルースが話し掛けてくる。
「オーガキング如きでは主殿を止めれませんよ。」
「先程の戦いだって、まだ力の一割か二割程度しかみせていないからな。」
「それホントかよ。」
「あれで一、二割程度なんですか!?」
「それ程の強さがありながら、何故今迄名前を聞いた事がなかったんだ?」
「それは主殿が業魔の森を出たのが昨日の事だからですよ。」
「おっ、そろそろ主殿達が動くみたいだ。」
ルースの言葉に再度視線を戻すとそこには、黄金の氣を纏うキョーヤと翠色の武装を装着したティスカがオーガ達へと向かって行く所だった。
キョーヤが黄金の氣を纏いオーガジェネラル達を殴り飛ばし、ティスカがオーガジェネラル達を斬り刻む。
「す、すげぇ! なんだよあの強さ。」
「い、一瞬で終わっちゃった。」
「あの黄金の氣はまさか!?」
「なんだよドイル、兄ちゃんのアレ知ってるのか?」
「はい、見るのは初めてですが恐らくアレは昔文献で読んだスキルと同じ物だと思います。その文献は300年前に召喚された勇者様の事が書かれていた物なのです。そしてその勇者様が使っていたスキルとして記されていたのがあの黄金の氣『武闘神氣』です。」
「勇者様が使っていたスキル・・・。」
「武闘神氣・・・。」
キョーヤが使ったスキルに三人が驚ろいているとテーニが更にスキルについて捕捉してくる。
「その通りですよ。主殿が使ったスキルは武神と闘神のスキルの統合スキルである武闘神です。そしてアレは武闘神スキルの一つ武闘神氣です。」
「武神? 闘神? それに武闘神?」
「聞いた事ないです。」
「確か武術系スキルの統合スキルが武神で格闘系スキルの統合スキルが闘神だったと思います。300年前の勇者様の文献には神から全ての戦闘スキル適性を貰ったと有りましたから武神、闘神、武闘神へと段階を踏んでスキルを獲得したのでしょう。」
「そんなスキルが有ったのかよ。」
「知らなかったね。」
「武神、闘神のスキルホルダーさえ見る機会は殆ど有りませんから知らなくても無理はありません。私も武神スキルホルダーを一人冒険者で居るのを知っているくらいです。」
三人がキョーヤのスキルについて話しているとオーガクイーンのロッドが光を放つ。
オーガクイーンが魔法を放ったのをキッカケにティスカとオーガクイーン、キョーヤとオーガキングへと別れて戦闘が開始された。
「オーガクイーンって、あんなに魔法が使えるのかよ。」
「でもティスカさんも直ぐに打ち返してるよ。」
「そうですね。ですがティスカ殿の魔法はオーガクイーンに当たってもダメージになって無い様です。」
「兄ちゃんの方は魔法じゃなくて接近戦見たいだな。
うん!? なんだ兄ちゃんが燃えた?」
「ほ、ホント!?」
「いいえ、アレはどうやらキョーヤ殿のスキル見たいです。」
「ええ、アレは主殿の護法の複合纏・火光/灼熱光天闘衣です。」
「兄ちゃんの攻撃を受けたオーガキングが燃えてる!」
「でも、オーガキングもやり返してるよ。」
「そうですね。オーガキングも大戦斧スキルを使い始めた様ですしまだまだこれからでしょう。」
オーガキングが大戦斧スキルを使いキョーヤを遠ざけ、オーガクイーンがティスカへと炎の槍をいくつも作り放つ。
しばらく膠着状態に陥っていたがキョーヤが再び黄金の氣を纏いオーガキングへと攻撃をし、ティスカが辺り一面に霧を発生させオーガクイーンへと向かう。
「兄ちゃんがまた武闘神氣を使った見たいだな。」
「ティスカさんは霧で見えないよ。」
「どうやらこれが最後の攻防見たいです。」
ドイルの言葉通り決着は直ぐに訪れた。
キョーヤが拳に神氣を集めオーガキングへと放つと同時に、ティスカがオーガクイーンへと精霊魔法を付与したオルディスを構え落下していく。
更に一瞬で、オーガキングの背後へと回り込んだキョーヤが拳に神氣を溜め打ち込むと、ティスカがオーガクイーンに巨大な岩の刃で圧し斬る。
轟音が辺に響き渡る。
「なんだよ、いつの間に兄ちゃんはオーガキングの背後に移動したんだよ!?」
「ティスカさんも、気付いたら上空から落下してたよ!?」
「私もキョーヤ殿から目は離していなかったので、恐らく転移系の魔法を使ったのでしょう。ティスカ殿は先程の霧を発生させた時には既に空中へと移動していたのでしょう。」
「そうか、だから一瞬で移動した様に見えたのか。」
「ティスカさんも、あらかじめ計算して上空にいたんだね。」
「それにしても、どちらも凄い威力ですね。」
三人が先程の攻防にそれぞれの感想を言う。
轟音が鳴り止んだ時には既に戦闘は終わっていた。