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スイ様の言うとおり!  作者: ゆう都
第一章 暗転、そして出会い
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せかいのおこり


むかしむかし、その世界は闇に覆われていました。

いえ、そもそも世界の概念すら生まれる以前のことです。

そこには、ただ闇があるだけでした。

いえ、それは闇ですらありませんでした。

そこにある(・・)のはただのでした。




時間という概念すらない中で、とてつもない時間が流れました。

それを感じる存在すらおらず、ただ、無為に時間は過ぎ去りました。




やがて、1点の光が浮かび上がりました。

そして、光に照らされない部分には、闇ができました。

なぜその光が生まれたのか、分かりません。

なるべくして成った。

なぜなら、それが最高神シェリラム様だからでありました。




シェリラム様は、まず闇をとりこまれました。

光があるところに、闇は存在する。

しかし、光があるからこそ、闇が存在するのです。

闇が存在しても、光は存在することがなく、その場の闇は、ただの無となります。

シェリラム様はだからこそ、自らの対極に位置する闇さえも、

統べることが可能でございました。




次に、シェリラム様は使者をつくられました。

そして、その使者に一切の自由を許しました。

自らに反抗することすらも、許容なされました。

なぜなら、それはシェリラム様が最高神であらせられたからでございます。




シェリラム様は、その強い力故、自らと使者を決別させました。

そのことで、シェリラム様は最高神として、すべての使者を、平等に公平に、

司ることが可能となりました。




シェリラム様に自由を許された使者たちは、

最高神たるシェリラム様に己の意思で、全員が下りました。

シェリラム様を前にして、いくら許容されようとも、仇を成すものなど、

現れようハズがなかったのでございます。




それを喜んだシェリラム様は、最後の宣託として、

使者に世界の作り方をお教えなさいました。

皆に平等に、公平に、作り方をお与えなさいました。




シェリラム様に世界の興りを任された使者たちそれぞれが、

あまたの世界を作り出しました。

こうして、今にある多くの世界が興ったのでございます。




ある世界では、使者に世界を任された下級神たちが、争いを起こしました。

ある世界では、八百万もの下級神が生み出され、あらゆるものを司ることで、世界の調和がおりなされました。

ある世界では、邪な物に唆されて知恵をつけた人間が、地上に降りて世界を創る人々を増やしました。




様々な世界で、1つと同じもののない物語が創りだされて行きました。

シェリラム様は、時に悲しく、時に嬉しく、それらを見守られておられます。




そのまなざしがあるからこそ、世界を任された使者はシェリラム様の意思に沿い、

そうして私たちが今、存在するのでございます。




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