バレたら終わり
「健くーん!教室でご飯食べないの?」
「今日は屋上で食べたい気分ななんだ」
「ふうん」
僕は一般的には高校生。
でも、実を言うと僕には秘密がある。
僕は屋上までの階段を駆け上がり、解放されたように屋上で両手を伸ばす。
そう、僕は実はロボットなんだ。
僕がロボットだと周りにバレてはいけない。
バレたら博士の部屋にあった小さなロボットに戻ってしまう。
それも、人間のような仕様のロボットでもない。
灰色の球体に手足がついたものだ。
僕は博士が作った子供用神社に来る子供の願いでできた存在。
誰かに求められなかったらそもそもがなかった存在だ。
「人間のロボットも人間と同じように暮らしていたらいいのに」
こういった願いの主は、神社にいた神のいたずらなのか、私の存在を産んでくれた。
これからも僕は誰にも気づかれない。
そう思っていたのに。
勢いよく屋上のドアが開いた。
「あ、あれ、先約ですか?」
銀髪の腰まである髪の毛を振り乱し勢いよく女子生徒が入って来た。
僕は慌てて「いや、先約なんてしていないのですが」と断った。
「ん?それより君、昔どこかで会った?」
何を言っているのだろう。
僕が人間になったのは今年の初年度の高校入学に合わせてだ。
「そんなはずないですよ。僕は新入生なんで」
銀髪の少女は驚いた顔をして言った。
「あ!おじいさまの家で見たわ!でもあれは人形だったような」
!?
おじいさま!?おじいさまってもしかして安藤博士?
「君、名前は?」
「私は安藤みちる」
「安藤!?」
僕は自分の名を名乗る前に取り乱してしまった。
それもそのはず、僕が人間になる上でルールを設けられている。
それは僕がロボットだとバレたら、人間の姿からかつてのロボットに戻ってしまうのだ。
「そんなにも驚かなくても、名前は?」
「健」
「健くんか……」
少女は思い出したように言った。
「そういえばね、その博士の人形のキーホルダーがあるんだ」
少女はバッグにつけたキーホルダーを僕に見せた。
驚いた、まるっきり僕だ。
「私、思い出したわ。あなた、この子ね。確か……人形じゃなかったわ。ロボットね。合ってるでしょ?」
「……どうして?どうしてわかった?」
「博士が息を取り留めたときに子供の存在をちらつかせたの。だからこういう形で存在するってことなのか」
「…残念。そうだよ。見破られちゃったから君ともこれでお別れだよ。またね」
僕はそれからずっと博士の部屋で仲間が増えることを夢見ている。




