高い電子音
…がとう……した…
静かな部屋に、かすかに人の話し声が聞こえる。
ピーーーー
突然鳴った高い電子音で目が覚めた。
見ると、薄暗い照明の下のテレビに、カラフルな長方形のパターンが映っている。
“試験電波発射中“
テレビをつけたまま寝てしまっていたらしい。
床には充電の切れたスマホが落ちている。
窓の外は真っ暗だった。
ピーーーー
意味のない音を出すテレビは少し不気味で、子供の頃から苦手だった。
テレビの電源を消そうとしてリモコンに手を…伸ばせなかった。体が動かない。
金縛りってやつか…
あからさまに怖い状況だったが、今は不思議と落ち着いていた。
明日になって思い出して怖くなるタイプかもしれない。
顔も動かせないので、眠るまでの間、様々な色が映っているテレビを見ていた。
テレビが壊れたかのような電子音は、その間もずっと流れ続けていた。
そうしていると、テレビの後ろの壁にある黒いシミが顔に見えてきた。
泣いているような、怒っているような顔だった。
何とか効果で、点が三つあると顔に見えるらしいということを思い出していた。
ピーーーー
しばらくぼーっとしていると、壁の顔が笑った気がした。
何となく笑い返していると、いつの間にか顔は消えていた。
ピーーーー
この音、何かに似ているような…先週のドラマで聞いたんだっけ…
ピーーーーー
照明が消える。
真っ暗になった部屋の中には、電子音とすすり泣く声がはっきり聞こえていた。




