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異世界転生 やっぱり馬が好き

作者: 夢野ありか

 結城颯太は、幼い頃から馬に夢中だった。背中に颯風のように駆け抜ける馬たち、彼はその美しさと力強さに心奪われていた。友達と遊ぶよりも、馬と戯れるのが何よりも楽しかった。彼が目指すのは、もちろん競馬の騎手だ。多くの人々が彼の才能に期待を寄せていたのだが、運命は違う道を選ばせるのだった。


 事故の日、颯太はいつも通り、練習を終えた後に帰宅する途中だった。突然、目の前に現れた無謀運転の老人の車。すべてが瞬時に変わった。彼はその光景を最後に、意識を失ってしまった。


 目を開けると、彼は驚くほど美しい風景の中にいた。ここは昔のヨーロッパのような異世界。しばらく混乱していた彼を迎えたのは、美しい伯爵令嬢、フリーディアの姿だった。そう、彼はフリーディアとして生き返ったのだ。


 颯太は自分がフリーディアとして生きることを決意する。彼女は裕福な伯爵家の娘で、領地は馬の産地だった。これは颯太にとって、再び夢を追う絶好の機会だった。


 最初の数日は、女子としての振る舞いや社交界の作法に戸惑ったが、彼は馬たちの世話をすることに喜びを見出した。彼の頭の中では、素晴らしい名馬を育て、伝説のレースを開催し、人々に感動を与える夢が芽生えていく。


 さっそく、領地の馬たちを一頭一頭仔細に観察した。彼らはどれも優れた血統を持っていた。そして、彼は大きな計画を立てた。厩舎を改装し、馬たちの訓練を始めることで、競馬の楽しさを広めるのだ。


 フリーディアとしての生活が進むにつれ、颯太は次第に領地の人々から信頼され、愛される存在になっていった。彼の情熱が人々の心を動かしたのだった。競馬に対する熱意、馬に対する愛情が、周囲を巻き込んでいく。


 ある日、颯太が育てた馬、エルフリードがデビューすることになった。彼の思いが詰まったその馬は、大観衆を前にして力強く駆け抜けた。勝利を掴んだ瞬間、颯太はフリーディアとしての役割を全うしたかのような満足感で心が満たされた。


 異世界での生活は、競馬を通じて多くの人々とつながることを可能にした。颯太は心からの友を得たが、それ以上に彼の心に馬への愛が燃え上がっていた。彼は単に騎手ではなく、馬たちの未来に責任を持つ者となることを決意した。


 時が経ち、颯太はフリーディアとして活躍し、異世界でもその名を轟かせる騎手となった。もはや夢ではなく、それは現実となったのだ。そして、彼には確かな思いがある。


「この世界でも、馬と共に生きる喜びは変わらない」


 これからも彼の愛する馬たちと共に、多くの冒険が待っている。颯太、いやフリーディアは、新しい人生を胸に、明日への一歩を踏み出した。

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