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魔法が廃れた時代の死神  作者: モノカキ
第十章

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10-2. 治癒の試みと真実の断片

古き知恵の会の隠れ家は、辺境の地に隠された地下の複雑な構造だった。その構造は、古い魔術の結界で守られており、外部からの探知を防いでいる。リオは、ミラに導かれながら、その隠れ家の奥深くへと進んでいく。


廊下は、古い石造りの通路だ。壁には、古い魔術の刻印が刻まれており、その刻印から、微かな光が放たれている。その光が、廊下全体を薄暗く照らしている。天井は低く、頭を打ちそうになるほどだ。その低さが、リオを小さく見せた。リオは、無意識に頭を下げながら、廊下を進む。その姿勢が、リオの背中を痛める。


ミラは、リオを一つの部屋へと導いた。その部屋は、広々とした空間だった。壁は白い壁で作られており、その表面には、古い魔術の道具が並んでいる。その道具は、複雑な形をしており、その用途は、リオには分からなかった。部屋の中央には、一つのベッドが置かれている。そのベッドは、古い木で作られており、その表面には、古い魔術の刻印が刻まれている。その刻印から、微かな光が放たれている。


ミラは、リオの体を見つめた。リオの体には、治らない傷が残っている。それは、旧文明の呪詛による傷だ。ミラは、その傷を治そうと試みる。だが、ミラ自身も、それが難しいことを知っている。それでも、試みる。それが、ミラの役割だ。


「ここで、あなたの傷を治そうと試みるわ」


ミラは、リオに話しかけた。その声は、温かく、優しい。だが、その声には、深い悲しみが混ざっている。その悲しみが、リオの心に染み込む。ミラは、リオの傷を治せないかもしれない。それでも、試みる。それが、ミラの決意だ。


リオは、そのベッドに横たわった。そのベッドは、冷たく、硬い。その冷たさが、リオの背中に伝わる。その冷たさを感じて、目を伏せた。ミラは、リオの体に手を置いた。その手の温かさが、指先から腕へと伝わる。リオは、肩の重さが少しだけ和らぐのを感じた。


ミラは、古い治癒魔法を唱え始めた。その言葉は、古い言葉で、リオには理解できない。だが、その言葉から、微かな光が放たれている。その光が、リオの体を包み込む。その瞬間、リオの体に、温かさが広がる。その温かさが、体の奥まで届く。それは、リオが長い間、感じたことのない温かさだった。


リオは、その温かさを感じながら、目を閉じた。体の奥まで届く。胸の中心の重さが、わずかに和らぐ。


だが、その温かさは、長く続かなかった。ミラの治癒魔法は、リオの傷を治すことができなかった。リオの体に宿っている「治らない傷」は、治癒魔法では治せない。その事実が、ミラの目に映る。ミラの目には、深い悲しみが宿っている。その悲しみが、リオの心を締め付ける。


ミラは、リオの傷を見つめた。その傷は、旧文明の呪詛によるものだ。それは、300年前の魔術体系の技術だ。エリーザが封印した呪詛体系の、ほんの一部に過ぎない。だが、それでも、現代の治癒魔法では治せない。ミラは、その事実を受け入れるしかない。


「この傷は……旧文明の呪詛だ。治癒魔法では治せない」


ミラの声は、震えていた。その震えが、リオの心を締め付ける。治せない。それは、リオが最も恐れることだった。だが、その事実を、ミラが受け入れてくれた。リオは、その受け入れを感じながら、胸の中心の重さが和らぐのを感じた。ミラは、リオを責めない。その事実が、リオの心を少しだけ軽くする。


ミラは、リオの肩に手を置いた。触れられた肩が、わずかに温かくなる。重さが、少し抜けた。


ミラは、リオの目を見つめた。その目には、深い悲しみが宿っている。だが、その悲しみの中に、希望の光が混ざっている。ミラは、リオを諦めさせない。古き知恵の会には、リオの力の真実を知る者がいる。それは、オルド・ウィズダムだ。その者が、リオを導いてくれる。


「でも、諦めないで。古き知恵の会には、あなたの力の真実を知る者がいる。その者が、あなたを導いてくれるわ」


真実を知る。求めていたものだった。リオは、目を開けた。ミラの目には、深い悲しみの奥に、希望の光が混ざっている。その光を見つめながら、胸の重さが和らぐのを感じた。ミラは、支えてくれる。その確信が、かすかに胸を温める。


「ありがとう……ございます」


震える声で、リオは答えた。言いたかった言葉が、自然に溢れ出る。


ミラは、優しく微笑んだ。その温かさが、胸の奥まで届く。中心の重さが、和らぐ。


ミラは、リオの手を取った。手の温もりが、腕に広がる。ミラは、リオをオルド・ウィズダムの元へと導く。オルドは、300年前の魔術体系を継承する最後の大魔導師だ。その者が、リオの力の真実を教えてくれる。


「さあ、行きましょう。オルド・ウィズダムに会いましょう。彼が、あなたの力の真実を教えてくれるわ」


オルド・ウィズダム。それは、リオが聞いたことのない名前だった。だが、その名前を聞いた瞬間、リオの心に何かが動いた。真実を知る。それは、リオが求めていたものだった。その希望が、リオの心を少しだけ温める。ミラは、リオを導いてくれる。その確信が、リオの心を少しだけ軽くする。


リオは、ミラの後を追った。その一歩が、重いが確かだ。一人では限界がある。だが、今、リオには支えがある。その支えが、リオの心を少しだけ軽くする。肩の重さが、少しだけ和らぐ。


廊下を進みながら、リオは自分の手のひらを見つめた。常に微かな熱が宿っている。呪詛の証だ。息を吸うたびに、肋骨を内側から押しつぶすように重い。今は、その熱が少し弱まっている。一時封印の呪詛陣が、力を封じている。肋骨を押していた重さが、少し和らぐ。


リオは、その弱まりを感じながら、歩き続ける。その一歩が、重いが確かだ。真実を知る。それは、リオが求めていたものだった。その選択が、リオの新しい希望になる。その希望が、リオの心を少しだけ温める。


その希望が、リオの運命を変えることになることを、まだ誰も知らない。


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