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魔法が廃れた時代の死神  作者: モノカキ
第七章

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7-3. 外壁突破

リオは、外壁の上端に到達した。共鳴の力が、リオの体を外壁の上へと押し上げる。リオは、外壁の上に着地した。その着地は、静かだった。足音は、外壁の上に吸い込まれるように消えた。


外壁の上は、広々とした空間だった。その幅は、十メートル以上もあり、その上を歩くには、十分な広さだった。外壁の上には、衛兵の姿が見えた。数名の衛兵が、外壁の上を巡回している。彼らは、リオの接近に気づいていない。まだ、包囲網の構築に気づいていないのだ。


リオは、その姿を見つめながら、剣を握りしめた。剣の重さが、リオの手に伝わってきた。その重さは、リオの心を重くした。


リオは心の中で謝罪の言葉を繰り返し、衛兵に近づいた。足音は、外壁の上に吸い込まれるように消えた。だが、その足音は、衛兵の耳には届かなかった。


最初の衛兵は、リオの接近に気づいた。だが、その時には遅かった。リオの剣が、衛兵の腕に切り傷をつける。剣が、衛兵の腕を掠めた。その瞬間、衛兵は驚いて振り返った。その衛兵は、若い男だった。おそらく、まだ二十歳にも満たない。その目には、恐怖と困惑が混ざり合っていた。


「何だ、お前は……」


衛兵は、リオを見て驚いた。その目には、恐怖の色が浮かんでいた。傷は浅い。だが、それは治らない。


「この傷……治らない……」


衛兵は、自分の腕を見て驚いた。傷口からは、血が滲み出ていた。だが、その傷は、治らない。衛兵は、その傷を見つめながら、恐怖に震えた。その姿が、リオの胸を締め付ける。


リオは、次の衛兵へと向かった。だが、その時、リオの心には、重い気持ちが広がっていた。また、人を傷つけてしまった。それは、リオが最も恐れていることだった。


二番目の衛兵は、剣を抜いてリオに襲いかかった。その衛兵は、中年の男だった。その目には、決意の色が浮かんでいた。彼は、リオを見て、剣を構えた。その瞬間、後方にいたバルドが無意識に盾を構えた。防御本能が感情抑制薬を超える瞬間だった。バルドの盾が、リオの体を隠すほど大きかった。


だが、リオの剣が、衛兵の剣を弾き飛ばし、腕に切り傷をつける。剣が、衛兵の腕を掠めた。その瞬間、衛兵は驚いて振り返った。傷は浅い。だが、それは治らない。衛兵の剣は、外壁の上に落ち、その音が、外壁の上に響いた。


「この傷……治らない……」


衛兵は、自分の腕を見て驚いた。だが、その時には遅かった。リオは、次の衛兵へと向かった。その衛兵の目には、恐怖と困惑が混ざり合っていた。彼は、自分の腕を見つめながら、震えていた。


三番目の衛兵は、逃げようとした。その衛兵は、若い男だった。おそらく、まだ十代だった。その目には、恐怖の色が浮かんでいた。彼は、リオを見て、逃げようとした。だが、リオの剣が、衛兵の足に切り傷をつける。傷は浅い。だが、それは治らない。


「助けて……この傷が、治らない……」


衛兵は、仲間に助けを求めた。だが、その時には遅かった。リオは、外壁の上を進み、議場へと向かっていく。その衛兵の声は、リオの耳に響き、リオの胸を締め付けた。また、人を傷つけてしまった。それは、リオにとって、最も恐ろしい真実だった。


外壁の上を進むリオの背後で、衛兵たちが苦しみ始めていた。傷が治らない。それは、彼らにとって、未知の恐怖だった。


「僕は……人を殺している」


リオは心の中で自問した。だが、それでも進まなければならない。国家のために力を貸すと約束した以上、その約束を果たさなければならない。


外壁の上を進むリオの前には、議場への入り口が見えてきた。そこには、さらに多くの衛兵が待ち構えている。リオは、その姿を見つめながら、剣を握りしめた。


リオは心の中で謝罪の言葉を繰り返し、衛兵たちに近づいた。


衛兵たちは、リオの接近に気づいた。剣を抜いて、リオに襲いかかった。だが、リオの剣が、衛兵たちの剣を次々と弾き飛ばし、腕や足に切り傷をつける。傷は浅い。だが、それは治らない。


「この傷……治らない……」

「何だ、この力は……」

「助けて……この傷が、疼いて痛い……」


衛兵たちは、混乱し始めていた。傷が治らない。それは、彼らにとって、未知の恐怖だった。


リオは、その混乱を利用して、外壁の上を進んでいく。前方には、議場への入り口が見えてきた。そこには、さらに多くの衛兵が待ち構えている。リオは、その姿を見つめながら、剣を握りしめた。


「リオ、外壁の突破は成功だ。議場への入り口へ向かえ」


ゼロの声が、リオの耳に届いた。リオは頷き、議場への入り口へと向かっていく。だが、その時、リオの前に、一人の衛兵が立ちはだかった。


「待て、お前は……リオ・アーデンだな」


その衛兵は、リオを見て言った。リオは、その言葉に驚いた。自分の名前を知っている。その衛兵は、中年の男だった。その目には、深い悲しみが宿っている。彼は、リオを見つめながら、剣を構えた。


「お前は、『緩慢なる死神』だ。敵国連合は、お前を『死神因子』と呼んでいる」


「死神因子……?」


リオは、その言葉に疑問を感じた。死神因子――それは、リオが聞いたことのない言葉だった。


「そうだ。お前の力は、旧文明の呪詛だ。使い続ければ、世界が滅びる。それを、お前は知っているのか?」


その衛兵の言葉が、リオの胸に突き刺さる。世界が滅びる――それは、リオが知らなかった真実だった。リオは、その言葉を聞いて、震えた。手が震える。足がすくむ。


「僕は……そんなつもりじゃない」


リオは、小さな声で言った。声が震える。


「そんなつもりじゃない?お前は、人を殺している。治らない傷で、人を殺している。それが、お前の力だ」


その衛兵の言葉が、リオの胸を締め付ける。人を殺している――それは、リオにとって、最も恐ろしい真実だった。リオは、自分の手のひらを見た。手のひらには、常に微かな熱が宿っている。


「僕は……人を殺したくない」

「人を殺したくない?それなら、お前の力を止めろ。さもなければ、お前は世界を滅ぼすことになる」


その衛兵の言葉が、リオの心を揺さぶる。力を止める――それは、リオが考えたことのない選択だった。リオは、目を閉じた。深く息を吸い込む。その呼吸が、体の奥まで届かない。


「でも、僕は……国家のために力を貸すと約束した」


「国家のために?お前は兵器として使われているだけだ。王国はお前を人間として見ていない。お前を兵器として見ている」


その衛兵の言葉が、リオの心を揺さぶる。兵器として使われている――それは、リオにとって、最も恐ろしい真実だった。リオは、その言葉を聞いて、自分の手のひらを見た。手のひらには、常に微かな熱が宿っている。それは、呪詛の力の証だった。その熱が、自分の心臓を握りしめているかのように感じられる。


「僕は……人間だ。兵器じゃない」


「人間だ?王国に使われるだけの道具が笑わせる」


その衛兵の言葉に、リオは何も言えなかった。リオは、その力を感じながら、衛兵を見つめた。その衛兵の目には、深い悲しみが宿っていた。


その時、外壁の上に、異様な気配が漂っている。リオは、その気配に気づき、振り返る。外壁の上には、一人の人物が立っている。その人物は、黒い軍服に身を包み、手には複雑な装置を持っている。その装置は、鎖のような形状をしており、その表面には、結晶のような光が宿っている。


「リオ・アーデン……死神因子」


その人物は、リオを見つめながら、装置を構える。その目には、感情がない。標本を観察するような、冷たい視線だ。


「リリウム封鎖官……血刻殻を展開する」


リリウム封鎖官の声が、外壁の上に響く。その瞬間、装置から鎖が伸び始める。鎖は、空中に展開され、リオの周囲を取り囲んでいる。鎖の表面には、結晶のような光が宿っており、その光が、リオの周囲に集約されていく。


「これは……何だ」


リオは、その鎖を見つめながら、剣を構える。だが、鎖は触れずにリオの周囲を取り囲み、結晶化した呪詛の力が集約されていく。まるで、リオの力を反転させ、拘束しようとしているかのようだ。


「触れずに拘束する……それが、血刻殻の力だ」


リリウム封鎖官の言葉が、リオの耳に響く。鎖陣が、リオの周囲に展開され、結晶化した呪詛の力が集約されていく。その力が、リオの体を締め付けようとする。だが、リオの力は強すぎる。結晶化した呪詛の力は、リオの周囲で揺らぎ、完全な拘束には至らない。


「まだ実験段階か……だが、可能性はある」


リリウム封鎖官は、装置を操作しながら、リオを観察している。その目には、科学者としての冷静さが浮かんでいる。リオは、その視線に、背筋が冷たくなる。標本として見られている。その事実が、リオの胸を締め付ける。


「リオ、進め。時間がない」


ゼロの声が、リオの耳に届く。リオは、その言葉に背中を押され、鎖陣を切り裂きながら、議場への入り口へと進む。鎖は、リオの剣に触れた瞬間、結晶化した呪詛の力が反転し、鎖が砕け散る。リオの剣が、血刻殻の装置に直接当たる。装置の一部が砕け、結晶のような光が散り散りになる。


「装置が破損した……」


リリウム封鎖官は、装置を見つめながら、記録を取り続けている。だが、その時、ゼロが外壁の上に現れる。ゼロは、リリウム封鎖官の背後から接近し、剣を構える。


「リリウム封鎖官、後退しろ」


ゼロの声が、外壁の上に響く。リリウム封鎖官は、振り返る。だが、その時には遅い。ゼロの剣が、リリウム封鎖官の肩に切り傷をつける。傷は浅い。普通の傷だ。だが、その傷が、リリウム封鎖官の動きを鈍らせる。


「普通の傷か……だが、これで動きが鈍る」


リリウム封鎖官は、その傷を見つめながら、冷静に分析している。その目には、科学者としての冷静さが浮かんでいる。だが、負傷により、リリウム封鎖官の動きは鈍る。リリウム封鎖官は、装置を握りしめながら、後退を始める。


「力の強度は予想以上だ。だが、捕獲の可能性は残されている。装置の一部は破損したが、データは記録できた」


リリウム封鎖官の言葉が、リオの背後に響く。リリウム封鎖官は、負傷した肩を押さえながら、外壁の端へと後退していく。装置の一部が破損し、完全な捕獲は不可能になった。負傷により、リオを追うこともできない。リリウム封鎖官は、その事実を受け入れながら、退却を始める。


リオは、その言葉を聞きながら、議場への入り口へと進む。リリウム封鎖官は、もう追ってこない。負傷と装置の破損により、リオを止めることはできない。


衛兵は、リオを見つめながら、剣を構える。だが、その時には遅い。リオの剣が、衛兵の腕に切り傷をつける。傷は浅い。だが、それは治らない。衛兵は、その傷を見つめながら、恐怖に震える。その姿が、リオの胸を締め付ける。


「進まなくちゃいけないんだ……」


リオはそっと呟く。その言葉を繰り返しながら、議場への入り口へと進む。足音は、外壁の上に吸い込まれるように消える。だが、その足音は、リオの心には、重く響いている。また、人を傷つけてしまった。それは、リオが最も恐れていることだ。

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