異次元の地球温暖化対策
地球沸騰化という語をご存知でしょうか?
地球温暖化問題が提唱されたのは我々現代人が産まれるよりずっとずっと前で、年平均気温は産業革命が起きた頃から今日まで上がり続けています。これは世界的な問題で、日本だけの問題ではありません。その気温の上がり方が急でありますから、温暖化という語より沸騰化という語の方がしっくりくるということで近年でてきた言葉です。
日本で見ると、夏の連日の猛暑、各地最高気温の更新、不作、エサを求めて山を降りてくる野生動物の被害など温暖化の影響は年々激しさを増しています。40℃越えの高温、局地的な大雨と水害などは全国的な問題になっています。私の両親が子供の頃は35℃を越えると全国的なニュースになったそうです。祖父祖母の頃では教室にクーラーはおろか扇風機も付いていなかったと聞きます。世代間でこれほどの違いがうまれてしまうほどに、近年の温暖化は急速であります。
ところで地球温暖化とはどういうものでしょうか。先日この演説のために、私の担任である田中先生に聞いてみました。
地球温暖化とは、大気中にある温室効果ガスが増え、地球上の熱が大気より外に逃がされず内にこもってしまうことだそうです。
では温室効果ガスがなくなれば良いかというとそうではないようです。温室効果ガスは宇宙の冷たさから守ってくれ、地球上の動物にとって活動可能な気温を調整する機能があるのだそうであります。問題はその密度だそうで、二酸化炭素やメタンが増えると温室効果が増し、熱がこもるということでした。熱は宇宙に放出されずに、どんどん地球を暑くしているのです。
地球温暖化を防ぐにはどうしたら良いか。これはさすがの田中先生でも簡単には答えられないと仰られました。ただ、理屈の上で言えば、温室効果ガスを減らすのが一番だと仰いました。
温室効果ガスを減らすには、まず出さないことが大事であります。二酸化炭素はものを燃やすと出ます。化石燃料、つまり石油や石炭などは今も昔もエネルギー産業において主力であります。それから、大量のゴミを燃やすのも多くのガスが出ます。
また、牛の、私たちが好んで食べる牛のゲップにはメタンが多く含まれており、これも数が多ければそれだけ影響も大きい。私もよくゲップやおならはしますが、人間のおならなどまさに屁にもならない差であります。
温室効果ガスをただ出さないだけではガスは減りません。ガスを減らすには植物が有効なのです。光合成は二酸化炭素と日光と水からデンプンをはじめとする栄養を作ります。アサガオの葉っぱにアルミホイルを巻く実験は皆さまもご存知でしょう。植物が偉いのはその時に酸素を生むことです。つまり二酸化炭素を酸素に変える空気清浄機のようなものであります。
原因はざっくり今申した通りです。なら、解決は、シンプルにいきましょう。
まずは二酸化炭素を出さない新エネルギーの開発です。これは、専門家に任せましょう。現行の研究を信じ、いずれ日本からノーベル化学賞が出るのを待ちます。
私が推進したいのは、日本食の普及であります。話に繋がりがないようですが、ぜひ聞いて頂きたい。まず、日本食は菜食寄りであります。すると牛の需要は下がり、飼育数は減り、ゲップメタンも減るというわけです。
菜食の良さはもう一つ、光合成の場を増やせることであります。日本食を推進すると野菜を多く必要とし、野菜は植物でありますから二酸化炭素を吸収し、美味しくなって皆さまの食卓に並ぶことでしょう。
最後に、日本食の魅力をもう一つ。これは日本食というよりは我々日本人の特色かもしれませんが、日本食には生ものが多い。刺身、生たまご、漬物などは昔からありますが、生キャラメル、生ビール、生チョコ、生八つ橋と何でも生で食べたがる。火を使わないで食事を楽しめるのは日本人の強みであります。
我々日本人は自然豊かな環境に育てられ、自然と共存してきました。故に自然に対する優しさを持った民族だと私は信じます。その証拠の一つが日本食であります。食の欧米化から再び日本食に回帰し、温暖化を防ごうというのが私の願いです。
このまま地球が暑くなれば、植物も育たなくなってしまいます。暑さの為に植林しても苗の段階で枯れてしまうかもしれません。そうなる前に、まだ植物が育つ希望がある今のうちに、私はこの新世代的温暖化対策を断行したいのであります。