日常2
続き
僕と遥が宿に戻ると、悠人と唯は椅子に座って談笑していた。
「お帰り、遥」悠人は席を立ち遥のもとに近づいた。
「ただいま、やっぱり朝に、外に出て日の光を浴びるとすっきりするわね」遥は伸びをして、体を震わせた。
「それに、面白いものも見れたし」
「何を見たんだ?」
「いや、こいつと歩いてるとさ、ほとんどの奴らが目をそらすんだけど今日はさ・・・」
遥は子どもが自分に反抗してきたことと、それを庇って地べたに朝から頭をこすりつけていた母親の話を馬鹿にした様子で嬉々として話し、それを聞いて悠人と唯は楽しそうに笑いあっていた。
「そんなことがあったなら、昨日の分ってことで私が行けばよかったかも」
「何言ってんのよ、唯、そんなこと全く思ってないくせに」
「遥の言う通りだ。唯、こいつに餌やるの忘れるくらい、興味ないくせに何が行けばよかっただよ」
唯はそれを聞いて少し不服そうだった。
「とりあえず、遥はそいつに餌をやって着替えてきてくれ。待ってるから」悠人は外から帰って来たばかりの遥を促した。
「うん。わかったわ。ほら早く来いよ」手綱を急に引っ張られてバランスが崩れ、顔から地面に着地したが、遥はそんなこと歯牙にもかけないでいた。
「ほら、今日の餌よ。有難く受け取りなさい」
遥はそう言って先ほどまで、悠人と唯が食べていた残りものを地面に投げ捨てるようにして僕に渡してきた。
「あれ食べるんだ」唯は地面でみすぼらしく残飯を漁っている僕を見ていた。
「ふっ、いやーやっぱりリサイクルって大切だよな。学校でもそう習ったし」悠人は笑いながら、かついて僕たちが生活していた世界を思い出していた。
「どっちかというと、リデュースじゃない?」
「どっちでもいいじゃねーか。なんにせよゴミが減ってるんだし」
悠人はそう言い捨てて部屋に戻っていった。唯も遥もそれに続いく形で部屋には誰もいなくなった。三人がいなくなり部屋に静寂が訪れると途端に空しくなり、それでいて心の奥底から憎しみがあふれ出してきた。だが、それをどうにか抑える。奴らにはいつか必ず復讐してやるつもりだが、今じゃない。その時はきっとくる。だから今は耐える。
自分で自分を言い聞かせて、床に飛び散った残飯を無心で口に運んだ。
ありがとうございました。




