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ラビエヌスのおっさん

ガリア戦記の影の主役、ティトゥス・ラビエヌス。

カエサルの副官筆頭でありガリア総督就任から17年

に渡りカエサルを補佐してきました。

カエサル不在時には総督代理でもあった人物です。

オレもアイツもカエサルにはさんざん負けたと思うけど。

俺らを苦しめたのはいつも大事なトコでふんばるあのおっさんだった。

アレシアではカエサルを囲んでボコせたと思ったのに

あのおっさんが割り込んでオレらは負けた。

負けて鎖でぐるぐる巻きになったオレらがガキだったことに

あのおっさんは少し驚いてかなしい顔をして「すまなかったな」と謝った。

なんで謝るんだよ。

おっさんはカエサルとは違う意味でガリアのみんなになじんだ。

水路を作って畑を作ってローマからの食糧を分けてくれて

黙々と自分の役目やガリアのみんなのために働くおっさんを

皆が認めて受け入れた。

おっさんの騎兵隊だってもともと敵だったガリア人だってのに

ほとんど雇い入れて訓練してくれた。

上役のポンペイウスとかいうやつの無理な税金にもかばってくれた。

おっさんはカエサルとも良く付き合って元老院の愚痴だの

借金だらけでクラッススから催促がきただの

酒で憂さをはらすカエサルをよくなだめていた。

オレらはおっさんがカエサルやガリアのみんなとずっと

いっしょにいてくれるものだと思ってた。

カエサルのやつが元老院と仲たがいしたとき

おっさんは言った「自分はローマに戻らねばなりません」

みんな止めた、ガリアのみんなは行かないでくれと泣きついた。

それでも、おっさんは言った

「これはローマ人の争いだからガリア人を巻き込むわけにはいかない。

皆には大変世話になりました」

おっさんはガリアのみんなに別れの挨拶をすると

単騎で護衛もつけずにローマに帰っていった。

おっさんがローマに帰ったと聞いてカエサルはずっと押し黙ったまま

おっさんの荷物をまとめてローマに送っていた。

オレらにはガリアの仲間からおっさんからと手紙をあずかった。

「ガリアの勇者にしてヴェルキンゲトリクスであった若者たちに記す。

自分は不本意ながらローマの共和政のために殉じることで

この人生を全うすることとする。

ガリアに来て、見て、勝った自分が確信するところはカエサルも

ローマも過ちを犯しているという事実だ。

自分としては微力ながらもカエサルとローマを止めたい。

だが、それはかなわないことだろう。

カエサルは君たちに未来を期待している。

だからこの結末を目をそらさずに見ていてほしい。

それが次代のローマとガリアが良き方向となる教訓となるだろう。

ティトゥス・ラビエヌス」


なんでだよ、おっさん。不器用すぎるよ。

ラビエヌスは、その足跡や行動からも義理堅く

政治的には不器用な人物であったと思われます。

自分はガリア戦記は読んでいましたが

その彼がこのような結末であったことは

大変残念に思っています。

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