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憎まれ救世主 ~優しき青年が授かったのは、憎まれる程に強くなる力~  作者: お米うまい
第三章 全身鎧と猫耳忍者

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第198話 方針決定

「その、リティアはファブリスの魔法を独自に発展させているでござるよ。我々は触れている金属に魔力を通して強化したり変化させるでござるが、リティアは触れてない金属を自在に動かすでござる」


 そこでミリティからの説明を受け、研一は驚く。


 孤独な軍隊なんて揶揄される事もあるリティアの魔法は、百を超える金属鎧を同時に動かして戦う場面が確認されており――


 リティア本人だと思って金属鎧を攻撃した魔族が、中に誰も居なくて驚いたという話もあるらしい。


 ――倒し方が解からないリティアを警戒したのも、魔族が交渉の道を選んだ理由の一つなのかもしれない。


「……昨日、我々の案内をしていたのも本人とは限らないというか、確実に偽者でござる。用心深くて、まず人前に姿なんて現さないでござるからね。おそらく遠くから魔法で鎧を操り、風魔法で声を届けていたのでござろう」


「そうなのか?」


(その割には、温泉に無防備にやってきた気がするけど――)


 どうにもミリティや正規兵の話と、研一が出会ったリティアの印象が噛み合わない。


 確かに口は悪いし、やってる事も極悪で、印象なんて最悪に近いだろう。


 けれど、その口や態度の悪さは言い換えれば堂々とした雰囲気を受けたし、初対面の男の前に裸で姿を現す辺り、臆病からは遠い人種に見えた。


「話聞いている感じ、ミリティよりもリティアの方が強くないか?」


 とはいえ、情報もなく変に憶測だけ立てても仕方ない。


 純粋に疑問に思った事を訊ねていく。


「あくまでリティアの魔法は、鎧を動かせるだけで魔力強化は出来ないでござるからね。魔力の流れてない鎧では、束になってもちょっと、その――」


 どうやら単純な強さという意味では、それほど脅威とは言えないらしい。


 それなら城中の全身鎧を破壊し尽くして、虱潰しにリティアを探すという手もありそうだと考える研一であったが――


「ただ、どこに居るかも解からない。いつ襲ってくるかも解からない敵を相手取るのは、想像を絶するモノがあるでござるよ。頭の中で思い浮かべてみてほしいでござる。寝ていたら、突然、自分の装備がカタカタ音を鳴らしたり、動き出して目玉を抉ろうとしてくるところを……」


「……想像したくねえよ」


 どうやら表立って敵対するのは、止めた方がいいらしい。


 スキルの影響で強化されている研一どころか。


 そこそこ魔力のある者ならば、魔力強化無しの鎧に目玉を突かれても多少痛いで済むそうではあるが――


 それでも、そんなホラー展開に毎日脅かされるのは、誰だって嫌だし。


 家族や友人達、全員が耐えられるだけの魔力を持っているとも限らない。


「……」


 チラリと研一は、奴隷の振りをして黙ってくれているセンに目を向ける。


 もし何か嘘を吐いていたり、怪しい奴が居るなら連絡してほしいと指示していたが、今まで何の反応もなく――


『気になる人は居ませんでした』


 事実、こうして確認の視線を向けても、異常なしと答えてくれているので、この場に居る連中は信じてもいいだろう。


(とりあえず、状況は解かったな……)


 この国に置かれている状況は大体は解かったし、自分達に用意されている手札も把握出来たと考えていい。


 思っていたよりは、随分マシな状況と言えるだろう。


(まずは魔族が来るまで、獣人差別していた衛兵達でも煽って力を蓄える……)


 このファブリスが持つ魔武具の技術は、魔族側からしたら、手に入るなら何としても手に入れたいモノなのだろう。


 それは慎重すぎる程に警戒している所から想像出来るし、相当な強者が来ると思っておいて、まず間違いない。


 力は増やせるだけ増やした方がいいだろう。


(魔族が来たら、邪魔してきそうな衛兵達をこの人達に抑えてもらって、俺とミリティで魔族を討ち取る……)


 リティア自身は、自分に害が内容に魔族を追い払ってくれるなら、どうでもいいという立ち位置のようだし、警戒だけはしつつ、一旦放置して。


 弱いとはいえ、何をしてくるか解からない不穏分子に酒場の男達を当てる。


 戦力に不安があれば、ウルスス達獣人を呼んでもいいかもしれない。


(魔族を倒した後、リティアさえどうにかしてしまえば、後はミリティさんを党首に担ぎ上げて、この正規兵の人達とか、ウルススさんが居れば、国も回していけるか?)


 そうして、魔族を倒した後でリティアに当たっていく。


 国の平和の為に魔族に差し出すという建前さえ崩れ去れば、もうリティアや衛兵達が大きい顔をする事は出来ない。


 自分の身が可愛いだけの連中も、強い方。


 すなわち、魔族を追い払ったミリティ側に就くだろう。


(いける、か?)


 大まかな方針を固めた研一は――


 どうやってあの衛兵達を煽り散らかしてやろうか、と頭を働かせていくのであった。

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