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輪廻転生~また会うために~  作者: ともだおれ
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起章 1

 僕は「新田 秀」(にった しゅう)16才。


 某県の普通科高校に通うどこにでもいる普通の高校1年生。

 勉強をすれば中の下、運動をすれば平均をやや上回る程度、カノジョなし歴=年齢といった具合の冴えない見た目の普通の高校1年生。

 敢えて特徴を挙げるとすれば「メガネ」だろうか。


 そんな普通の僕は毎日学校と家を往復するだけのつまらない毎日をつまらなく過ごしている。


 僕は自慢じゃないけど友だちがいない・・・いや、たった一人だけ友だちがいる。


 友だちの名前は「佐藤 一郎」(さとう いちろう)。


 何かの記載見本に載っていそうなノーマルオブノーマルの名前を有するこの男は、名前は平凡だが外見中身が超イケメン。

 小学校からの付き合いだがそのイケメンぶりは枚挙に暇がない。


 オマケにカノジョも暇がない。


 正直なんで僕なんかと友達でいてくれているのかが不思議なくらいなんだけれど、不思議と気が合うのか登校も下校もいつも一緒だった。


 一郎のカノジョもいつも一緒だったけどね・・・


◇◇◇


 今日もいつも通り3人で学校から帰る途中、一郎たちと別れる場所に差し掛かった。


「シュウ、また明日な」「新田君、ばいばい」


 いつもの光景・・・


 ・・・じゃなかった。

 別れた直後、なにか嫌な感じがして一郎たちを振り返ると、突然風景がグニャっと歪んで人間のようなモノが現れた!


 その手には棒のような物を持ち一郎のカノジョを目掛けて斬りつけようとしていた!!


 2人は全く気が付いている様子がなく僕は咄嗟に声を上げた!


「危ない!!!」


 すると、その人間のようなモノは驚いたかのように動きを止めこちらを向いた。


「おや?あっち(一郎)しゃなくてこっち(僕)だったか・・・」


 と男のような女のような、子どものような大人のような声で僕に向き合った。

「それ」は声だけではなく見た目も年齢・性別不詳のよく判らない、不気味な雰囲気を纏っていた。


 そして、手に持った棒のような物を僕に向かって振りかざし、一言。



「頼むから、今度はうまくいってくれ・・・」



 そして振り下ろされる棒のような物。

 同時に消える「それ」。


「まて!・・転・の・術・・・・てな・!・・失敗・の・・・・」


 なにか「それ」が叫んでいたけど殆ど聞き取れなかった。


 同時に、体が二つに切り裂かれたような感じがした・・

 不思議と痛みは感じないけど目の前はどんどん霞んできている・・・

 何か一郎が叫んでいるみたいだけど殆ど聞き取れなくなってきた・・・・


「い・す・・・・う・・・・・・・・・や・・・な」


 カノジョはただただ泣きわめいていた。


 良かった。カノジョは無事みたいだ・・・一郎、良かったよ・・・・・


 あぁ・・もうなにもきこえない・・・・なにもみえない・・・・・なにも・・かん・じ・・・な・い・・・・・・・




 僕は死んだ。

1ページ/週を目安に投稿していく予定です。

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