ピアニスト玲子の奇跡(外伝)
玲子とマリアがスラノバ国を離れて六日後は、モナ王女の国王就任式の日だった。
格式高い王宮は、今日だけは大勢の人でにぎわっていた。地方にいる王族及びその親族や各国の来賓が王宮に集まった。その数は二千人を超えていた。
王族や各国の来賓が見守る中、王宮の大広間で、新国王の就任式がとり行われた。通常でも豪華な装飾を飾った大広間だったが、この日は更に、色とりどりの装飾品が壁や柱に取り付けられ、まるで宝石の国のようなきらびやかさだった。
今日のこの時間帯は、多くの国民が仕事を休憩し、テレビの前に集まって、モナ王女の国王就任式を見入っている。
今日のモナ王女の服装は、純白のドレスを着ていた。不思議と、ダイヤや黄金などの豪華な装飾品は身につけていない。この衣裳や装飾品を飾らないいでたちは、モナ王女自身が国王に要求したとのことだった。
彼女は、ダイヤなどにお金を費やすよりも、国民の医療や教育にお金を使おうと決めていた。そして、装飾品に飾られなくとも、モナ王女の姿は美しかった。彼女の服装には、清潔感があった。
純白のドレスは、モナ王女の真白な心を表していた。何の穢れも無い清い心である。これからどんな色に染まるのかは、モナ王女しだいで決まる。だが、きっと優しい色に染まるだろう。
就任式は、王室の手続きに従い、厳かに少しずつ、ゆっくりと進行していった。
やがて、間もなく就任式が終了する。就任式が終了すれば、モナ王女は女王となり、この国で最高の権力者となる。
最後にアフマド国王が、王室にある三種の神器をモナ王女に手渡した。
スラノバ国の三種の神器は、悪魔を切り裂く短剣、正邪を映し出す鏡、心に光を灯すランプの三つである。この三種の神器は、スラノバ国創設以来の国宝であり、初代国王から代々の国王に引き継がれてきたものだった。
長い時間をかけて、三種の神器の継承が終了した。これで、ようやくモナ女王の誕生である。
やがて、モナ女王が壇上に立ち、挨拶を始めた。
「スラノバ国国民のみなさん。今日より私、モナが国王として就任しました。みなさんに対しては愛と誠意を示し、私自身に対しては勇気をもって、国政をすすめるつもりです」
みんなから盛大な拍手がおこった。みんなが女王の誕生を祝福した。
モナ女王は深呼吸し、拍手が静まると再び話を続けた。
「ただいまより、革命軍との終戦調印式をこの場でとり行います。各国の来賓の方々は、恐れながら見届け人としてご協力をお願いします」
信じられないモナ女王のスピーチだった。
誰もが自分の耳を疑った。確かに『終戦調印式』と、モナ女王は言った。この言葉に各国の来賓やテレビを見ていた人たちは、まだ自分の耳を疑っている。
もちろん国王就任式の式典準備の人たちも、このことは知らなかった。事前に知っていたのは、アフマド元国王夫妻と護衛のテーラー、それにケント大佐だけだった。
やがて壇上に、革命軍のグレン副司令官が現れた。
モナ女王は、グレン副司令官を紹介した。
各国の来賓は更に驚いた。グレン副司令官と言えば、ヒアム司令官の長男であり、革命軍の次期司令官として有力な存在だ。先ほど我が耳を疑った人たちは、それが本当のことだと、今まさに確信した。多くの国民が、モナ女王のサプライズ・イベントに興奮した。
さっそく終戦調印式の筆記用具が用意された。そして二人で署名をした。
その後、モナ女王とグレン副司令官が、それぞれ代表の押印をした。そして最後に、モナ女王とグレン副司令官が一緒に声明文を読み上げた。
「本日をもって王国軍と革命軍の内戦は終了した。スラノバ国に平和が訪れた。本日以降、むやみに人を傷つけ殺めるもの、または人の財産を奪うものは、スラノバ国の法律に従い厳しく処罰する。そして我々は、今後、いかなるときも、国民の幸福を最優先で考える。国民を不幸へと導く内戦は、二度と起こさない」
素晴らしい声明文だった。会場からは、大きな、大きな拍手が、鳴り響いた。
テレビを見ていたスラノバ国国民は、さらに大喜びだ。涙を流して喜ぶ者が多数いた。
これで家族が死なずにすむ。無益な戦いをする必要もなくなった。敵の兵士から財産を奪われる恐れも無くなった。子供が成長しても戦争に駆り出される心配が無くなった。
国民は、モナ女王の勇気ある決断に感謝した。
「モナ女王万歳!」
会場のみんなから盛大な歓声があがった。歓声は、しばらく鳴りやまなかった。
ようやく歓声が静まると、モナ女王は、さらにみんなが驚くことを告げた。
「今日から半年後に、総選挙を行います」
「えっ?」
会場にいた人たちは、一斉にどよめいた。
王宮にいた全ての人たちが驚いた。テレビを見ていた人たちも、思わず声を出した。
誰もが、モナ女王の告げた内容を理解できない。誰もが思わず口を開けたまま、無言で女王の話に耳を傾けた。
モナ女王は説明を続けた。
「半年後からスラノバ国は、議会制民主主義の政治を施行します。そのために、ここにおられるグレン副司令官に、総選挙に向けた準備を協力していただくつもりです」
そしてモナ女王は、テレビカメラに向かって国民に語った。
「全ての国民のみなさん、協力をお願いします。みんなで幸せな未来を築いていきましょう。子供たちの未来を語れる政治を、みんなで実現しましょう。貧困者をなくす政治を、みんなでつくりましょう」
このモナ女王の説明は、さらに大きなサプライズだった。
王国が無くなる。これで自分の意見を政治に反映できる。おそらく、税金は今までよりも安くなるはずだ。生活は豊かになるはずだ。学校や病院などは、今よりも充実するだろう。
誰もが希望をもった。スラノバ国国民は、誰もが明るい未来を予想し、希望に胸を膨らませた。
モナ女王の宣言で、国王就任式は終了した。
スラノバ国国民は、今日の就任式に驚いた。国王が代わるだけでなく、内戦が終了し、半年後には総選挙が開始される。
国中の酒場では、今日のできごとで、もちきりだった。まるで正月とクリスマスとが一緒に来たような気分である。見知らぬ者同士でも乾杯し合い、お互いに喜び合った。中にはビールをかけ合って喜ぶものも多数いた。
全ての国民は、平和が来たことを体で感じた。
この日はスラノバ国のほとんどの酒場で、夜遅くまで笑い声が溢れていた。
それから三日後、パラカトは、イルート族の村にある寄宿舎にいた。
この寄宿舎は、ヒアム司令官が建てたもので、多くの革命軍兵士が暮らしていた。パラカトも、その一人だった。
彼は、今後の身の振り方について、思案していた。
そんなバラカトのもとに、一本の電話がかかってきた。
寄宿舎の電話は二つしかない。どちらも共同電話だ。
パラカトが受話器をとると、
「バラカト、元気かい?」
バラカトの母エスターナの声だった。やけに元気そうな声だった。
「うん、それなりに元気だよ。ところでお母さんは、すごく元気そうだけど、どうしたの?」
「パラカトにもわかるようだね。実は奇跡が起きたのよ」
エスターナは弾んだ声で答えた。
「奇跡? どんな奇跡なの?」
「バラカト、聞いて驚かないでね。私の左目の病気が治ったのよ。左目で景色が見えるようになったのさ」
「えっ、失明していたあの左目が?」
パラカトは我が耳を疑った。昔、医者から『もう回復しない』と宣言された左目である。『治すことはできない』と、自分でも諦めていた母の左目だった。
「ど…どうして?」
恐る恐るパラカトが尋ねた。もしかしてパラカトは、このとき、母の答えを前もって予想していたのかもしれない。
「ドクター近藤が、わざわざトンガル村まで来てくれて、私の目の手術をしてくれたんだよ。それも、毒蛇に咬まれた翌日に。本来ならばドクター近藤も、入院してなきゃいけないのに…。私のために無理して村まで来てくれたのさ」
エスターナは、興奮して話しまくった。その声は、幸せをかみしめているように聞こえた。
バラカトは、母の言っていることが、にわかには信じられなかった。スラノバマダラ蛇の毒は強烈だ。たとえ血清を注射したとしても、翌日に歩き回れるほど回復することはない。
「毒蛇に咬まれた翌日に、三時間も、あの山道を歩けるはずがない。それは何かの間違いだよ」
歩けるとすれば奇跡である。だが、パラカトは、玲子や近藤のおりなす奇跡を、今まで何度も見てきている。
(あの二人ならば奇跡を起こせる)
パラカトは、そう確信していた。
「それがね、ムハマドさんという看護師助手の人が、山のふもとからトンガル村まで、ドクター近藤をおぶって来たのさ。実は私、左目だけでなく、右目も見えなくなりかけていてね。ドクター近藤は、私の右目も治療してくれたんだよ」
バラカトは、母の言葉にショックを受けた。
トンガル村を離れて十年になる。その間、母とは二度しか会っていない。母の眼がそんなに悪くなっているとは知らなかった。
(ああ、私は親不孝だ。母の病気を気にも留めていなかった。イルート族のためと言いながら、実の母のためには何もしていない。私は馬鹿だ)
バラカトは自分を恥じた。親不孝な自分自身を許せなかった。
エスターナは、そんなパラカトの心に気づかないで話を続けた。
「だからドクター近藤は、少しでも早く手術をするために来てくれたのよ。『早く手術しないと手遅れになる』と言ってね」
不思議な巡りあわせだった。
ドクター近藤がいなければ、エスターナの目は治らなかった。モナ王女がいなければ、ドクター近藤は、助からなかった。パラカトがモナ王女を人質にしていたら、ドクター近藤は助からず、エスターナは盲目になっていた。
バラカトは、あのとき革命軍もナイガル橋の修理を手伝ったことに改めて安堵した。そして、ドクター近藤救命を主張したグレン副司令官に感謝した。また、足を震わせながらもヒアム司令官と交渉したモナ王女を尊敬した。
さらにバラカトは、ドクター近藤が自分の治療よりも、母の治療を優先したことに感謝した。
バラカトの目には、いつの間にか涙があふれていた。
「あああああああ」
あのときモナ王女は、ドクター近藤のためだけでなく、スラノバ国国民のためにヒアム司令官に会いに来たことを、バラカトは身をもって悟った。
パラカトの泣き声は、電話を通してエスターナにも届いた。
「バラカト、泣いているみたいだけど、どうしたの?」
「モナ王女、いや、モナ女王のおかげだよ。モナ女王がいなければ、ナイガル橋は修理されず、ドクター近藤は蛇の毒で死んでいた。お母さんの目が治ったのは、モナ女王のおかげだよ」
涙で声を震わせながら、バラカトは母に説明した。
「モナ女王? そういえば診察の初日にいた受付の女の子が…、モナ女王によく似ていたよ。世の中には、似た人がいるものだね」
エスターナは、受付の女の子がモナ女王だとは知らなかった。
パラカトは、静かに説明した。
「お母さん…、そのときの受付の子は…、モナ女王だよ」
「……」
しばらく沈黙が続いた。やがて、エスターナが沈黙を破るように、
「バラカト、あなたはいつから平気で嘘を言うようになったの?」
エスターナは、バラカトの言うことを信じない。このときのエスターナは、母親が嘘をついた小さい子供を叱るときの口調だった。
「嘘じゃない。お母さん、その受付の子に、私が十二歳のときにテレビと発電機をつくって村に寄付した話をしたよね?」
「ああ、したけど。なぜバラカトが、そのことを知っているの?」
「この前、モナ女王と話す機会があり、お母さんが白内障の治療を受けたことを教えてもらったんだよ」
パラカトが説明すると、また、しばらく沈黙が続いた。
「えっ…。あの受付の女の子が…モナ女王…」
電話の向こうで、エスターナが口をパクパクさせて驚いていた。
翌日、バラカトは、モナ女王に会うために、王宮へと向かった。
受付で氏名と目的を書くと向こうの座席でしばらく待つように言われた。
多忙なモナ女王が自分に会ってくれるかどうか、パラカトは不安だった。それでなくとも、あのときパラカトは、モナ女王を人質にとろうとした。普通ならば嫌われるはずだ。会ってくれるはずもない。
だが、二時間待つと、受付の人がパラカトを別室に案内した。
信じられないことに、そこにモナ女王が既に座っていた。モナ女王は、忙しい身でありながらも、バラカトに会うことを決めたようだ。
さっそくバラカトは、母の手術が成功し、目が見えるようになったことを報告した。
それを聞いたモナ女王は、まるで自分の家族の手術が成功したかのように喜んだ。
「手術が成功したのですね。それは良かったです。エスターナさんは、バラカトさんの顔を見たがっていましたよ。なるべく早く、会いに行ってください」
「はい。これも全てモナ女王のおかげです」
バラカトは、何度もモナ女王に頭を下げ、お礼を述べた。
「エスターナさんの目が治ったのは、ドクター近藤が名医だったからです。私は受付をしただけです」
「そんなことはありません。モナ女王、私や国民から見れば、あなたはこの国を治療する勇気ある医者です」
「私が、医者…ですか…」
モナ女王が不思議そうな顔をした。パラカトの言葉が理解できていないようだった。
「はい。スラノバ国は、『内戦』という重い病にかかっていました。それを見事に取り除いてくれたのが、モナ女王です」
「それに、議会制民主主義が進めば、モナ女王の財産や権力が奪われる。それをわかっていながら、モナ女王は国民のためにあえて進めようとしておられる。これは、モナ女王が国民への深い愛情を持っておられる証拠です」
確かに、バラカトの言うとおりだった。議会制民主主義が進めば、王室の特権が無くなることは、明白だった。
バラカトは、さらに話を続けた。
「モナ女王、お願いがあります。私にモナ女王のお手伝いをさせてください。国民が幸せになるためのお手伝いをさせて下さい。貧困を無くすための作業を、私に命じて下さい」
バラカトは、自分の気持ちを精一杯、モナ女王に語った。
「私は、モナ女王のために一生懸命働きます」
バラカトは、モナ女王に恩返しがしたかった。また、国民を幸せにする手伝いがしたかった。バラカトの小さい頃の夢は、人々を幸せにすることであり、正義の味方になることだった。
内戦が終了し、パラカトは今後の仕事として、人々を幸せにするための仕事をしようと考えていた。
モナ女王にも、バラカトの熱心な気持ちが伝わったようだ。
「バラカトさん。あなたの気持ちは、よくわかりました。ぜひ協力を、お願いします。でも、私のためではなく、国民のために働いてくださいね」
モナ女王の声は、優しくバラカトの心に響いた。
不思議な縁だった。かつてパラカトは、モナ女王を人質にとろうとした。それが今ではモナ女王のもとで働こうとしている。
パラカトがモナ女王のもとで働くことで、モナ女王の行動が大きく前進した。
それから二ヶ月が過ぎた。
スラノバ国は、今、驚くべきスピードで変化しようとしていた。
国民の長年の希望が、ようやく実現したのである。平和の願いがようやく実を結んだのだった。
革命軍は事実上解体し、モナ女王のもとで議会制民主政治に向けた準備をしていた。
もともと革命軍は、人民の平等を旗印としていた。モナ女王が推し進めようとしていることは、革命軍の目指すべき姿だった。モナ女王に協力しない道理はなかった。
その元革命軍の若者を集めて、モナ女王のもとで働くようにしたのが、グレンとパラカトだった。
また、パラカトは、ヒアム司令官の第一夫人であるサラ、第二夫人であるマレー、第三夫人のイリアをモナ女王に引き合わせ、国内に婦人会などのNPO(非営利団体)をつくるように図った。
「政治の組織だけでなく、政治以外の組織もつくり、国民を結集させる必要があります」
パラカトはさらに続けて、
「織物のように、縦糸と横糸を結びつけると、より多くの国民の声を政治に反映できるのです」
パラカトの説明は判りやすく、行動は迅速だった。
パラカトの後押しで、サラは婦人会NPOの責任者になり、マレーは、教育支援NPOの責任者になった。そしてイリアは、医療支援NPOの責任者となった。
そしてバラカトは今、モナ女王と一緒に新しい憲法の草案を作成していた。
今やパラカトは、モナ女王の頭脳であり、第一の相談相手だった。
パラカトが作成していた憲法は、内戦のときから作成していたものだった。そしてそれは、東洋のある国の憲法を模範としていた。
この憲法には、戦争の禁止が明記されていた。また、国民の平等がうたわれていた。そして、司法、立法、行政の三権分立を明記していた。
「バラカトさん、この憲法は、きっと国民を幸福に導くわ」
モナ女王は、この憲法からスラノバ国の幸福な未来を想像していた。
「モナ女王、まだまだです」
バラカトはパソコンのキーボードから手を離し、モナ女王の方を向いた。
「国を豊かにするには、まずは農業に力を注がねばなりません」
確かにパラカトの言うとおりだった。まずは食料を普及させる必要があった。国民を飢えから守る必要があった。
パラカトは続けて、
「そこで、この憲法が施行されたら、私に農業制度の改革をさせて下さい」
意外な申し出だった。モナ女王は、パラカトには科学技術関連の責任者がふさわしいと思っていた。いや、それよりも、モナ女王は、いつまでもパラカトが自分の傍にいてほしかった。モナ女王は、パラカトが傍にいれば、どんなことでもできるような気がしていた。それほどモナ女王は、パラカトを信頼していた。
「バラカトさん、それは構わないけど、どうして?」
「全ての国民に不足なく食べ物が行き渡るようにしたいのです」
バラカトは、戦争の影響でスラノバ国に蔓延している貧困を無くしたかった。
もう誰もバラカトのことを『氷の血の軍師』とは呼ばない。バラカトは、これからも、国民の幸せのために仕事に励むだろう。
外出先からグレンが戻ってきた。グレンは選挙準備に向けた作業をしている。
「モナ、選挙区の区割りと選挙管理委員会の規約ができたよ」
「グレン、ありがとう」
グレンとモナ女王は仲が良い。お互い敬称をつけず、名前だけて呼び合っている。
二人はやがて婚約するだろう。
半年後、もと王宮が建っていた場所は、議会や公園に変わった。
公園には、モナ女王の銅像が造られた。銅像の横にある石碑には、『愛と誠意と勇気をもったスラノバ国最後にして最大の女王』と刻まれていた。
また、中立地区だった場所には記念碑が造られた。
記念碑には、次のように刻まれていた。
「ドクター近藤と『東島の勇者』玲子の愛と勇気を、私たちは忘れない」
スラノバ国国民は、ドクター近藤の献身的な愛により、国民の間に平等の意識が広まった。王国軍も革命軍も、金持ちも貧乏人も関係なく、人間は平等であると、誰もが思うようになった。
その後、玲子の勇気で、平和を願う国民の心が一つになった。みんなで協力して行動すれば、必ず平和が実現できる。国民は、それを知った。
そして、モナ女王の愛と誠意と勇気で革命軍との終戦が実現され、平和な国になった。
ありったけの勇気を奮い起こして国民のために行動したモナ女王に対して、国民は感謝し、モナ女王への協力を惜しまなかった。
スラノバ国では、もう二度と戦争は起きないだろう。
スラノバ国の初代農政大臣となったバラカトは、国民の暮らしを豊かにするため、今日も国内の畑を調査していた。
空は青く澄み渡っていた。