5.見送りの後の話
5話目、電車に揺られながら最近は書いてます。
コンコンッ
「蘭娥様達はお話が終わったようでしゅね。」
私はノックの音がしたのでちらりとドアの方を見た。
その音に気付いたリティアが慌てる。
「あ、さっきの話は。」
「秘密でしゅね?」
主治医には患者の情報に対して守秘義務がありましゅから言ったりしませんよ。
「ロイカ・リティア居るか?入るぞ。
…ディリアとの話は終わった。」
蘭娥様がドアを開けて部屋に足を踏み入れたー…のよりはやく、というよりも蘭娥様を押し退けてディリア様が部屋に入ってきた気がしましゅ、気のせいでしゅかね?
「リティア、帰ろう。体調はどうだ…発作は起こらなかったか?」
「あ、うん帰ろうか…ロイカちゃんまたね?」
リティア様はディリア様と手を繋いで片方の空いた手でこちらにバイバイと手を振った。
「あぁ、玄関まで見送ろうか。」
「いい遠慮する、じゃあな。」
冷たいなぁーと蘭娥様が呟くのは無視されて応接間のドアは閉まった。
「うーん、さっさと必要な事を終えたらあっという間に去っていったね。私だってリティアと少しぐらい喋りたかったんだけどーなにしろリティアは可愛い従姉妹だし。」
…え、従姉妹でしゅか?
「あーリティアとディリアは双子なんだが、あの二人と私は従姉妹だよ。」
双子にはどうしても見えないでしゅ、せいぜい姉妹…それに。
「双子って…身長かなり差が、」
「それは圧倒的にリティアが可愛そうだから最後まで言ってやるな。」
「…でしゅね。」
同じく身長の低い私は溜息をついた。
何百年も生きてるであろう神様にも身長の低さに嘆く事があるんでしょうかね。
私の場合はこれから身長が伸びる予定でしゅたが死んでしまいましゅたから…!
「同じ歳なのに体格差もあいまってかディリアはリティアに対して過保護なんだ。」
蘭娥様は双神の片割れが絡むとディリアが怖くなるんだよなぁ…と震えた。怖そうでしゅね。
神々の間でもディリアのリティア過保護は有名な話らしい。
…言われなくとも見て分かりましゅ。会って数時間でなんともなく察しましゅたよ。
読んでいただきありがとうございます。
…新生活の疲れと寒さとで見事に風邪引いた人がここにいるので皆さんも風邪に気をつけて下さいねー