49.三者面談2
「は、はい。前提として精霊は血の繋がりが無いので、姐という先輩と衣食住を伴にして仕事を覚えていきます。…私は緑の精霊なので曖昧な点もあるんですけど…」
そう前置きしたマヴィムが話す内容はロイカが知らない話も多かった。
基本的に風の精霊は花粉などを飛ばして命をつなぐ事、春一番などの季節の風を届ける事、風を使った移動で物の流れを恙無く行う仕事の三つが重要だという事。
「まれに風を操って戦場に立つ者や教育者になる為に学校に行く者もいるようですけど…それは例外中の例外です。」
「なるほど、な…。あぁ、続けて話せ。」
ランガが先を促す。
「ーそして風の精霊の子は一年間風を操る練習をした後に三年から十年間は先輩精霊と仕事をこなしていきます。最終的にどの仕事を選ぶか決める為に。…あとは、一年を通して年に一度の仕事は全員参加になっていますね。」
その説明を受けてロイカは成る程とうなずく、神の命日はそれでロイカも参加だったのだ。
…自身の事であるのに思ったより私は、風の精霊について知らないようでしゅ。
「ロイカ、」
「なんでしゅか。」
「今でもー精霊になった今でも、神との約束を違えないか?」
「それは、ランガ様の助手になるというお話でしゅか。」
「そうだ。ー私はロイカを約束で縛るつもりはない。折角精霊となったんだ、前世で手に入らなかった普通に精霊として過ごし長く生きるのもいいだろう。」
「…えっ。」
マヴィムは信じられない、と目を見開いた。
「神との約束は神側からの申し出であれば破棄する事ができるんだ。」
だからー…どうするのだ。そういう風にランガは強い目でロイカを見た。…わかり切った事じゃないでしゅか、今更それをきくんでしゅね?
ロイカはため息を吐いてわかってないでしゅねーと呟いた。
「…ランガ様、助手になったって長く生きる事はできましゅよ?それから、私が前世で手に入らなかったのは一人前の薬師になる事でしゅし。」
「ロイカはそれでいいのか?」
「人の話は最後まできくべきでしゅね。…助手になれるかはわからないでしゅ。風の精霊を見てましゅと、あの森で暮らすには周りの精霊達とも良好な関係でいたいでしゅから。…助手になる事ばっかりはできないでしゅね、きっと。」
「えぇ…それについては私も伝えたい事が残ってるの。」
恐る恐る手を挙げたマヴィムが呟く。
「なんでしゅか。」
「ミンティー姐さんによるとロイカは風を操るのが上手いようでもう習得してるみたいだから、約一年間風を操る練習をする時間をランガ様の助手になる為に使えば良いと思うの。…そりゃ時々は精霊の集まりにも顔を出すべきなんだけど。」
「ふむ…。それで、」
「ミンティー姐さん、怒らないと思うの。…ロイカは将来を自分で選んでいいんだから。」
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