4.薬師の弟子のエゴ?
四話目です。
前回の投稿より時間が空いてます…一ヶ月に二話くらいは投稿したいです。
「それにしても…病状とか聞かれると困るかな。」
困る…?でしゅか。
「うん。なんていうか、じわじわと死に締め付けられていく様な漠然とした症状で、生まれた時から定まっていた事だから私は気にしてないんだけど、ディリアは気にしててね。私が気にしないでいるからーよけと人に病状を説明しづらいのかも。」
「…それは気にすべきではないのでしゅか?」
「ー生きる事に対して無気力って訳じゃないの。でも、そう気にすることでもないよ。」
ベットの上に腰掛けたリティア様は困った様に眉を下げて弁解した。
そんな事を言うのだから、あくまでも運命に諦めたわけではないと。本人は思っているのだろうーあの時の私のように。
でもーそうではないんでしゅ。
本人がどうであれ私は…
「私は薬師の弟子でしかなくて、医者なんかじゃない。でしゅが…リティア様のしゅじいになるってさっき言いましゅた。」
診療所に来ているのでしゅから治療をする意思はあるはずだ、あの時の私とは違って。でしゅが最終的に行き着くのはきっと…彼女は死を甘んじて受け入れてしまいそうでしゅから。
そんな予感が心をざわめかせてつい要らぬ言葉をかけてしまった。
「…周囲の人でリティア様の事を大切にしてる人にもしもの事があった時にどんな思いをさせてしまうか。考えられましゅか?」
口を突いて出た言葉、母様に死に置いてかれてどんな思いを抱いたか。
…私は苦しかったでしゅ。
一呼吸置いて、リティア様は答えた。
「神の殆どは永久的な命を持って死ぬ事など無いに等しい。死ぬ事で失う者に対する思いなんて…考えるの、難しいよ。」
ただね、とリティア様は続ける。
「…そうかもしれない、ね。ディリアなんかにとっては。とりあえずこの話は秘密ね。」
「秘密にはしましゅ。ただ…治療が必要となったら言ってくだしゃいね。相談もしてくだしゃい。」
治療を拒んで死んだくせに患者に治療を押し付ける事があるのならばー…それは薬師の弟子のエゴなんでしゅかね?
読んでくださってありがとうございます(*´꒳`*)