36.神様の命日2[前日]
36話目です。
「仕事…って、どこいくんでしゅか?」
ミンティーはちらりと此方を見て指差した。
指差すその先は私達の住む森を出てすぐの空き地があって、数個の空舟ー…白い三日月の様なゴンドラに近い形の木の舟が浮かんでいる。
「…禁区。空舟に乗って神域より更に奥に行ったところにある場所。普段は立ち入りを禁じてるような場所だ。ーーああ、モディさん。いつも通り神域まで頼みますね。」
モディと呼ばれた黒髪の男の精霊は恭しく頭を下げて礼をした。
「お久しぶりですね、ミンティー様。お変わりないようで安心致しました。…その子は?」
いやに言葉使いが丁寧だ。それはいつもの事みたいでミンティーは気にする風もなく答えた。
「新しく誕生した風の精霊のロイカ。私が面倒を見てるのよ。」
「そうですか。…ロイカさんはじめまして。」
「はじめましてでしゅ。」
「では、行きましょうか。」
そう促すモディにロイカは待ったをかけて、疑問をぶつけた。
「…待ってでしゅ、神域って遠いじゃないでしゅか。今から行って間に合いましゅか?」
「その為の空舟なのよ。案外直線距離で行けばすぐ着くの、ほら乗り込んで。」
ミンティーはロイカははじめてだものね、この空舟速いのよ、と笑う。
乗ってみると、空舟の材料はベニヤ板に似た薄い木材の様で乗り込むと木がぎしっと軋んだ。
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