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34.春一番の季節から
短めです、34話目。
「そういえばもうそんな季節ね。」
「春でしゅ。…マヴィムも緑の精霊でしゅし春は忙しいんでしゅよね?」
緑の精霊達の仕事は春の草花の面倒を見て、蕾を花へと変える事らしい。
忙しいのは毎年のことだもの…。はにかみながらマヴィムは言った。
「春一番ね、ミンティー姐さん毎年選ばれてるの。…もう、森の奥に家を構えて引きこもってるからご隠居さん、なんて仲間からは言われたりするようだけど。」
最初の日こそうまく話せなかったマヴィムともご飯を一緒に作ったり、食事の時に少しだけ話すまでになった。ちなみに今日の夕食は野菜たっぷりの青鹿肉シチューでしゅ。
「…強いわ、姐さんは。多分、助けられてからずっと側に居た私が誰よりもその強さを感じてる。…私羨ましいと思ったしなんで風の精霊として生まれなかったのか、苦しかった。」
マヴィムは裏庭で採れた人参を乱切りで切っていく。
「風の精霊なら姐さんから教えを請うこともできるのに。…今はちょっとだけ、あなたが羨ましい。」
まな板の上でトントンっという音が響いた。
お読みいただきありがとうございました。(*´꒳`*)




