30.黒紙所持者2
30話目です。
扉はゆっくりと開いたので片手に黒紙を持って門をくぐる。どうにも邪魔者は入れたくないらしくさっさと背後でしまった扉に思わず溜息がでる。
『ロイカ、黒紙は持ってきておるな。よしそれだ…。』
目の前に年若い男、どうせ神であろうモノが現れた。…名乗りはしないでしゅけど転生を司る神だと考えるのが無難でしゅね。
『…そう反抗的な目でこちらを見るでない、転生先の望みぐらい叶えてはやれんが聞いて考慮しても良いと思っておるのだよ。人生の昼をも待たずに死んだ幼子、そのくせ親よりは後に死んだのだ。それぐらいはしてやっても良い。』
ロイカはただ突っ立っていた。
『まだ反抗的視線を続けるか、ふむ…
さては転生先に不満があるわけでなくここを離れるのが嫌か?』
間違ってはない、ロイカはそう思った。
『哀れのう…死ぬ時は失っていたものを、死後に得てしまったのだから。』
「…どうしろっていうんでしゅか?」
『提案じゃ、転生先は精霊にするかね。天界に住み着く精霊ならば転生後すぐに蘭娥達と共にいられる。普通の人間では死後でないとそうそう天界に来ることも無いからのう。
…まぁ、蘭娥を記憶しているかはそなた自身の問題じゃな、どうなるかはわからん。蘭娥を見てもわからないかもしれん、まぁそれも一興だ。
ただ精霊とは厄介なものでそなたを無条件に愛する親は居ない、仲間はおるがな。自然とひとりでに生まれるのが精霊というものだ。それでもいいなら精霊が一番であろう。
…あくまでもこれは提案じゃよ?』
嫌ならばはっきり嫌と言っていい、別に強制的なものでもない、と言った。
「私は、ー」
お読み頂きありがとうございました。
ここまでが1章で、2章に続きます。
次はおまけの話にしようかなと思ってます。




