23隠し通路
23話目です。
這い蹲って隠し通路を一人で進む、ランタンは這って進むには邪魔なので背中の鞄にくくりつけた。そのため当てずっぽうな所に光源が辺り、行く先は真っ黒なままだ。…手汗が滲む。
「怖い、でしゅね。」
案外、気付いてなかった。蘭娥様が側にいない今、私はひとりぽっちでしゅ。
(…暗闇で連続した段差が…階段?)
手探りでズリズリと階段を降りていく、階段をズリ落ち降っていくに連れて手を伸ばせば届いていた天井が高くなっている事に気付いた。ようやく、立ち上がって歩いても天井にぶつからなくなった頃、ランタンを手に持った。
「…当たり、でしゅね。」
ドーム状に開けた空間の真ん中に石盤が、そしてその上には漆の黒く四角箱が乗っかっている。部屋の中に大人も出入り出来るようなドアもあり、蘭娥様がここへたどり着ける事も確認した。後で合流するといって別れたのだからいずれここにたどり着くだろう。
ロイカが、ランタンの灯火をゆらゆらと揺らして近付いて見ると、四角い箱にはところどころ欠けたり黒ずんだり痛んではいるが、薄く剥がした貝殻や金粉のかかった見るからに高価な箱だった。
カタッ…
ロイカはそっと箱を開けてみる。予想とは反対にすんなりと開いた箱の中身は
「小瓶?」
たった5つの黒い小瓶だった。
…さて、どうしましゅか。
おそらく小瓶の中身が薬だ、箱ごと持っていくのはかさばる、かといって置いていくのもどうなのかー…
一つの小瓶を手に取ってコルクの栓をあける。そして指先で思い切りよく小瓶の中の液体をすくった。
半透明の黒い液のようで…匂いはない、すくった液を舐めてみても味はしなかった。
…得体の知れないモノを飲むなでしゅか?実験してみないとわからないじゃないでしゅか。
少し失敬して使ったものをそのまま箱に戻すのは、気が引けて小瓶はポケットの中に入れた。
ロイカは美しい箱の側面をそろりと撫でた。
手入れのされないこれはいくらか痛んでいて。
「…持っていきましゅか。」
よっこいしょ…箱を抱えるとそれなりの重さがある。これを持って帰り道を進むのはいくらか嫌気がさした。が、もうそろそろ蘭娥様とも合流するでしょうし。と気を取り直してゆったりと部屋を出る。
…ロイカはその時、自分の横を掠めた黒い影に気付かなかった。
お読み頂きありがとうございます。
黒い影は黒い影です。(嫌な予感とか知らない)




