19.拠り所(蘭娥目線)
ちょっと投稿遅れました…汗
19話目です。
わかってはいたはずなんでしゅ。ロイカはそう言った。
かあ様が死んだ事、自分も同じ病気で死んだ事、それからあの世がある事。
苦しそうにでもポツポツと話し、喋りを止める事はしない。
蘭娥はただ静かにそれを聞いていた。
「でしゅが、わかってなかったんでしゅね…」
俯いて小さく肩を震わせ、 掠れた声でかあ様…と呟くのが聞こえた。
聞くに耐えない悲痛に助けを求めるかの様な声。それも絶対に届く事の無い相手に対しての、だ。
彼女の心の支えと拠り所の大半を占めていたのは紛れもなく母親の存在だった。それを蘭娥は薄々感じてはいたが今やっと手に持った様にしっかりと自覚した。
彼女はこの先、偉大なる母の愛を超える存在を知りえる事は可能なのだろうか?
不可能…とはいえない。
神と人に呼ばれる蘭娥は考え込んだ。
これからこの先転生したとして、人ならば次の両親や家族がいる。親を持たずに生まれてくる精霊であっても仲間はいる。
ただそれは転生して何もかも…記憶も一掃されて魂だけが同じの彼女だ。
今のロイカの内にそれを知りえる事は無い。
覆る事の無い絶対的な心の支え。
幻影でそれを失ったという絶対的な事実の自覚を持ってしまった。
喪失感の底にいるロイカが新しく心の拠り所となるものは今後現れない。
…いいや違う、現れないなら無いのなら私がそうなろう。庇護者としてロイカの心の拠り所になる。
ロイカを看取ったあの日、久方ぶりに思い出した人への情は彼女が死に際に見せた皮肉屋な含みを持った笑みではなく、もっとありふれた幸せな笑みを見たいのだと訴えていた。
一番に願ったこの幼子に生きていて欲しいという事は、本人の希望もあって叶えさせる事は、実現させる事はしなかったが。
今こうして行動を共にして初めて思い至る。
人と神との出会いは一期一会。
ロイカと出会ったからには、きっと私にはー…彼女の心をも守る責任がある。
お読み頂きありがとうございました。
今回は蘭娥の独り言風。
来週辺りはテスト期間なので投稿お休みします〜レポートさえ詰んでる…。




