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16.霧の深いところ(蘭娥視点)
またまた不定期です…
「行くな…ロイカ。」
手を伸ばして腕を掴もうとしたがすり抜ける。
ロイカの後を追おうと…一歩踏み出した足が止まった。
「蘭娥…。」
背後から声がしたからだ。
「…。無いな、その声はここで聞こえるはずがないものだ。」
あの子の真似だなんて白々しい、祈姫と呼ばれたあの子は転生も叶わず黄泉にいる。
振り返ったそこに居るはずのない彼女はいたが…彼女ではないと断言できる。なら彼女は誰だ。
白い彼女に化けたモノは異常な程に白い肌、まるで白霧の様な。
「…なるほどね、幻影のでる霧、か。」
神気で風を起こし霧を霧散させる。
「全く…嫌なもんを見せやがる。とうの昔に捨て去ったものを幻影にするとは良い趣味してるな。」
霧が晴れた世界は深緑の木々ともっと奥は地面が途切れて青い空、下を見渡せば落ちたらタダでは済まない崖。
「…待てよ?ロイカは、」
間に合うか、蘭娥は己れの考えの至らなさに歯をくいしばると踵を返して走り出した。
読んでいただきありがとうございます。
…高校の時、朝学校で霧出てると山と竹藪がマッチして物凄い辺鄙な場所みたいになってたなぁ〜霧は嫌いじゃない。
ロイカが心配ですね。




