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15、霧の中で(蘭娥視点)
15話です。
最初は薄霧なんて気にしてなかったのだ。
だが、なにかおかしい。そう思った時には遅かった。既に周りは濃い霧で覆われていたため、方向感覚を失っての登山は危険だと立ち止まる。
さて、どうしようか。そう考えているとロイカが蘭娥の肩を叩いた。
「下ろしてくだしゃい。」
「…わかった。霧が出ている、私の側を離れるなよ?」
「…わかってましゅよ。子供扱いはいい加減、やめてくだしゃい。」
「いやぁ〜ごめんごめんよ。…どうした。」
ロイカはじっと霧の向こうを見た。なにもない白い空間の先をただじっと見て震えた声で呟く。
「…かあ様?」
「かあ様…っておい、ロイカ…」
ふらり、ロイカは小早足で…だんだん駆け足になってどこかへ向かう。
死んだと言っていたではないか。
例えまだ転生してなく魂としていても…こんな下界にいるはずがない。
お読み頂きありがとうございます。
…最近不定期。




