10.旅のはじめ
10話目です。
一ヶ月後、ロイカと蘭娥は診療所から東の倭国に目指して出発した。
一ヶ月の間にやってくる患者様に診療所を休む事を周知し、必要であらば多めに薬を渡したりと準備したのだ。
「もし容態が急変する事があったならうちの神殿に行ってくれ。」
リティアの定期健診に同伴してきたリティアの保護者であるディリアは苦い顔をした。
「おい蘭娥…確かこの前、そっちの巫女頭がお前が神殿になかなか帰って来ないってウチの巫女頭に愚痴ってたな。」
「うん、新しく入ってきた巫女の子もこの前慰めてたっけ。…かわいそうに。蘭娥偶には巫女達を労ってあげて。」
「や…この前久しぶりに帰ったら怒られたよ、巫女頭を筆頭にして巫女全員に。あれには参ったなぁ…あはははは。」
笑い事じゃない、その場面に居合わせたロイカは溜息をついた。
フィアナさんとの話が終わると蘭娥達はたちまち巫女達に囲まれて
「次はいつ帰ってくるのです?」
「やっと帰ってきたんですね。」
「蘭娥様あんまりです。」
と泣く巫女までいた。
…蘭娥様罪深いでしゅね。
それにしてもロイカが驚いたのは巫女と蘭娥の近さ、だった。
主従関係とはいえ親しげに話すのは蘭娥の気さくさが影響しているのだろう。
…私は出会いが出会いでしゅから蘭娥様を神と認めてはいても神として見てるかは謎でしゅね。偶に神なのだと忘れましゅ。
「なんというか神格化されてないというか…真実神なのでしゅけどね。」
「かわいそうに…」
「蘭娥、哀れだな。」
リティア・ディリアも口々に感想を述べる。
「ごほん。おぅーい、お前ら戻ってこいよー」
蘭娥はわざとらしく咳払いして、溜息をついた。
「偶には顔を出そうとおもってるんだよ…ただ薬草の世話もしないといけないし。」
「思うだけなら私にも出来るな。…リティア、ロイカあんな事言ってるがあいつは実験や診療所の仕事が楽しくって夢中になり過ぎて、本来の神としてしなければならない事を疎かにしてるだけだ。」
「…だから今回、神の役割を思い出して秘薬を探しに行くんじゃ無いか。」
「…蘭娥、実は秘薬に興味があるだけなんじゃ…?」
リティア様の発言が図星だったのか蘭娥様の表情はガチガチになりましゅたね。
「い、いやそんな訳〜〜」
ディリア様はギロリとにらんで蘭娥を押し黙らせる。
図星でしゅよね、もちろん。
読んでいただきありがとうこざいました。
pc買ったはいいけどタイピングが底辺過ぎてスマホのほうが早く打てるっていうー…うん、これからもスマホさんらと仲良くするよ。
あっ、来週も土曜予定です。




