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《魔導講師の授業・二限目前半》

ーユウキー


「ーそれじゃあ、二限目の授業を始めようか。」

グラウンドにカイトの声が響く。

「「「「分かりました。」」」

それに対して私たち生徒は返事を返した。

私たちが今いるところはグラウンドで、魔術実戦の為に、

きています。

ーアリスティア魔導学園には、全部で13にもなる、

魔術実戦用の特殊なグラウンドがあります。グラウンドは

それぞれに特殊な魔術をかかっていて、第一グラウンドで

あれば、《炎属性魔術耐性》、第七グラウンドであれば、

《水属性魔術無効化》、第十三グラウンドであれば、

《召喚魔術補助》など、補助や妨害、無効化など様々な

魔術効果をもっている。掛けられている魔術もレベルが高く、生徒たち以外にも、講師や教授などが魔術の試し打ちをしにくることがあるくらいだ。

そんな13もあるグラウンドで私たちが今きているのは、

第二グラウンド。このグラウンドにかけられている魔術効果は、《雷属性魔術耐性》。グラウンド内において、雷属性の魔術に耐性をつけ、発動に必要な魔力を増やすことで、怪我をしにくいようにしたり、魔術の発動に必要な魔力が増える為、魔力の効率的な引き出し方、練り方を探る為に使われたりする。そんなグラウンドで私たちがするのは、

「では、さっき教えた【ショック・ピアス】の魔術改変を

練習してみようか。」

ーそう、【ショック・ピアス】である。本来、私たちの

年齢の魔術師ならば、基本誰でも使える中級魔術だが、さっきカイトに教えられたような方法で使ったことはなかった。それで私は、他の生徒たちも同じだろうけど、

ずっと試してみたくて仕方なかった。だから、カイトが

そういった瞬間私は、立ち上がって練習を始めようとした

ーが、

「ーといいたいところだけど、その前にみんなの魔術を

使うときの魔力の引き出し方を見せて欲しい。」

次にカイトが放った言葉にみんな固まってしまった。


ー今、なんて言った?


あまりのことに私は自分の耳を疑った。

ー魔力とは、この世界にいる人が持っているいわば、生命エネルギーのようなもので、魔力によって魔術を発動させることが出来る。魔力が少ない人は普通に生命を維持するのが限界で魔術に魔力を割くことが出来ない、多い人はその余分な魔力を魔術を使うことに使用することが出来る。

そして、魔力は筋肉と同じようなもので、限界まで使うことで回復するたびに増加していく。だから、魔術を使うことが出来ない魔力の少ない人は、魔力を鍛えるすべがなく多い人は魔術を使うたびに、魔力が増加するので魔術師は魔術を使って、時を重ねる程強くなって、より強い魔術を使う事が出来るようになる。だから魔術師の一部は自分が選ばれた存在だと思い、傲慢な態度をとったりする。

つまり、魔力とは、生まれたときから持っている先天的な力のことをいい、魔術を使うものなら、魔力の引き出し方・操作は誰でも最初に通る道で、魔術の基礎の基礎の基礎にあたるものだ。そんなことを長年魔術を使ってきた自分たちにいうということは、けんかを売っているに等しい。


ーバカにしているの?


私はそう思ってしまった。当然そんなことを言われて、 

他の生徒たちが黙ったままでいるはずもなく

「先生!、僕たちをバカにしているのですか!?

何故、今さらそのような低レベルなことをしなければならないのですか?さっきの授業でしたような魔術改変の練習をした方がよっぽど有意義なのでは?」

私が考え込んでいると、クラスで集まりの端の方にいた

生徒が我慢ならないとばかりに、カイトに異議を申し立てた。

(ーあれは、ファルス………?)

ーファルス=ブランシュ。

少し暗い茶髪に、つり目が特徴的な黒色の瞳。

眼鏡を付けていて、かなりの美少年。

いつも本を読んでいて、理性的な雰囲気や言動ですごく

モテそうなものだが、周りにあまり関心がなく、冷たい態度で応じていて、周りから少し怖がられている。

成績も優秀で学年全体で二位、つまり、次席の場所にいる

(ちなみに、私は学年首席)

周りの評価と成績が合わさって、《冷徹氷狼》という二つ名まで付けられている。無論、彼が自ら名乗った事は、ない。

彼の家名のブランシュは上級貴族にあたり、王国で10の指に入る名家で人柄も良いと評判だ。

(ちなみに、私の家は3本の指に入る。)

そんな彼だが、普段は授業を聞かず、本を読むか、

大図書館で自習をしていることが多い。普通なら、そんなことをしたらダメだけど、彼の家が名家で彼自身も高い成績を残しているので特例で認められたらしい。だから、彼がここにいることそのものが珍しく、ましてや、先生に

対して質問するなど信じられなかった。だが、今日きたばかりのカイトがそんなことを知るよしもなく、驚きもせず普通に返してきた。

「バカにしているのですか?って、そんなわけないよ。

ていうか、敬語なしでって言ったのに………。」

傷ついた顔でそう言った。

(………なんか、別のことで傷ついてるような気がする……)

私には、文句を言われたことではなく、敬語なしって

言ったのに聞いてくれなかったことに傷ついてるように

見えた。

当然、ファルスがそれで納得するわけもなく、逆に怒りが増していた。

「じゃあ、その魔力の引き出し方の確認に一体どういう

意味があるのか教えてくださいよ!?」

そうファルスは叫んだ。

カイトは何も言わず、下を向いていた。

グラウンドで静寂が訪れる。少しして、カイトがその静寂を破るようにおもむろに顔をあげてこう言った。

「………いいよ?じゃあ、教えるな?」

その言葉を聞いた瞬間、クラスのみんなが息を飲んだ。

私も、質問をしたファルスですら。

そして、カイトは言う。

「じゃあ、説明するな?、長く面白くない話になるから」

そこで一旦言葉を切り、こう言った。


「ー興味ない人は自由にしてな?」


カイトの授業が始まるー。


五回目です!

見ていってください!

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