阻む異形
『運命の分岐点』
下劣な太鼓のくぐもった狂おしい連打と、呪われたフルートのかぼそい単調な音色を超え、しばらく進むとそれは俺たちを阻むかのように現れた。
アザトースが娘の一人。敵意の年長の女巨人。
『一なる扉』を守るものオッココク。
アザトースが娘の一人。最も奔放な死を運ぶもの。
『二なる扉』を守るものアウラニィス。
アザトースが娘の一人。くすんだ色の大釜の番人。
『三なる扉』を守るものトゥーサ。
『扉は三つ。
扉一つにつき通れるのは二人だけ』
「俺は一人でオッココクを狩る」
「じゃあァ、俺とルピナスでアウラニィスを狩るゥ」
「分かった」
「んじゃ、俺たちはトゥーサか。頼んだぜ?親友」
「…あぁ」
そうして各々はそれぞれの戦場へ光に包まれながら転移した。
◆◆◆
『トゥーサ討伐組』
トゥーサはExと同程度に大きかった。
「これなら戦闘しやすいか。案外当たりクジ引いたかも知れねえな」
「…」
「どうしたんだ親友?えらく不安そうだな」
「どうして…」
「どうしてこの機体には脱出用のポットがないんだい?」
◆◆◆
『アウラニィス討伐組』
「ルピナス、行けるかァ?」
「うん。行ける」
「なら良いィ。最初から護符の大盤振る舞いだァ!!」
ティアは護符を展開し、ルピナスは旗を掲げる。
「ブッ殺だァ。そこを退け、雑魚がァ」
◆◆◆
『オッココク単騎討伐』
「さて、さっさとやろうか」
『デモニカ』と『エンゼリカ』を手に即座に投擲の構えを取る。
◆◆◆
場所が異なり、敵も違う。
そんな中その言葉はどこの空間からも聞こえてきた。
「「「「「心象解放」」」」」




