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デイブレイクの悲劇1

ユーリィ視点と清人視点の混成です。

いやぁ、楽しいなぁ

おっ、十万字突破ですか嬉しいですねぇ

『黎明の騎士』ユーリィ


僕がデイブレイクに入団してから色々な事が起きた。

あの迷信は迷信だった事を知ったし、魔族の実態についても、知恵の盃という半神格聖遺物の事も知った。

僕の知り得た情報の全てが僕が過去の僕でないことの証明。


それでー悲しくなる。

僕が救った。救おうとした人物、『嫉妬』杉原清人は魔族となり完全に悪性と成り果てた。

彼は魔族の同志すら殺し尽くし暴虐の限りを尽くしたそうだ。


許せない。

いや、違うね。許されない。


僕は僕のエゴに殉じた。

つまり、僕のエゴで彼を生かしてしまったのだ。

彼はあの時に殺すべきだった。

何度も討伐隊が組まれてはその命を消費させられていった。

友人、戦友は清人の斬遊の前に倒れた。


そしてーこれは今日の正午の頃か。

突如、黒雲が辺りに立ち込め。その音は反響した。


『デイブレイクの皆さん、ご機嫌よう』


見知った少女のような高い声。


『俺は杉原清人。世界悪、【魔王】になった事をここに報告しよう』


案の定の杉原清人。

酷い報告。


『さて、排他の馬鹿共に告げよう。俺、杉原清人はオミ王国を傘下に加えた。分かるか?』


ざわざわと民衆がざわめき出す。


『俺たちはデイブレイクに対して一方的に攻め入る。これは戦争ではない』




『虐殺だ』



キャァァァァア!!!!!


恐怖で一人が叫び出し、それが周囲に伝播する。

子供は泣き、犬は吠え、あぁ滅茶苦茶だ!!


日常は崩壊した!!


ズシン…ズシン…。


街に響く重低音と僅かに聞こえる駆動音。

知っている。

白装機兵ブリュンヒルデ。

レレイ・ガンドを破滅に追いやった白い悪魔共。


戦線布告から僅かに五分。

容赦というものがまるでない。


しかし、ここは彼女の領域。

彼女が黙っている訳が無い!!


来たっ!

時任静香。曲穿マガツ・ウガチの二つ名を持つ正義の味方。


だが、それを予知したように。


「進めぇ!!新機体、エクス・マキナの威力を思い知らせろ!!」

「バルキリアッ!」

「それを待っていた!!」


時任が投げた必殺の二つの十面ダイスはエクス・マキナの兵装に吸引されていった。


◆◆◆


『魔王』杉原清人


バルキリアの能力。それは出目を範囲とした絶対支配能力。


「ん?待てよ?」

「どうしたァ?」

「時任が参照するのは出目だよな?って事は出目が観測出来ないと、どうなる?」

「不発が妥当だろうなァ」


だから考えた。ダイスは硬かったが重力自体はそれ程では無い。

巨大掃除機があれば範囲支配が出来ないのでは?

そして俺には今、有能な手駒が居る。


「臣圭一郎、時任に対するメタ兵装を造ってくれ」


臣圭一郎、オミ王国の王にしてアルケミスト戦役の元凶。


かのアルケミストに作れないものは、無い。


◆◆◆


「さぁ、殺戮ゲームを始めよう」


時任封殺されたしー。


「やらせないよ!」


白い悪魔と相対するのは白銀の騎士。


「銀光の聖剣!」


闇を打ち払う剣が時任のダイスを解放しー。


「ヴァァァァカァァァァめぇぇぇぇえ!!!」


一兵士の声が響いた!


「エクス・マキナは致死ダメージを受けると一度溶解してぇ!」


ドロドロと白い鎧が溶け出す。


「バルキリアがっ!?」

「そうさ!不透明のゲルがバルキリアを包み込んで再び硬化する!出目は不明!よって支配は不可能!」


最悪な一般兵の嘲弄はよく響いた。

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