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アル日ノ開戦前

ブックマークに感謝!!

話数も50話到達ッ!!!

『因果崩壊魔獣式』ENVY&ERRY


未来への希望が断たれた俺は魔獣になった。

まさかあんなオチがついていたとは思わなかった。

我ながら短慮だった。浅はかだった。

だから幸せになれなかった。

そうだろう?

この身は半ば溶融し、もう一つの呪核ERRYと歪に合体し最早俺が俺であるという確証が持てない。

体は崩れていくのに呪いだけがパンドラの箱から飛び出すように溢れる。

今の俺にあるのは過去への後悔とー絶望していない全ての生きとし生けるものへの嫉妬しかない。


『ENVY!!ENVY!!』

『ERRY!!ERRY!!』


耳障りな音がするー。


◆◆◆


曲穿マガツ・ウガチ』時任静香


「早速向かってくれない?」

「分かった」


心象結界の溶融という異常事態に対し私は早くも『鬼面』のユーリィを向かわせた。

『伏』が言うには元王子だったそうだけれど全然そんな感じはしない。お面の好青年、ぐらいが妥当な感想。『伏』にしては珍しく話を盛ったのかな?


さて、今回『鬼面』を向かわせた理由だけど。うん。

『鬼面』が知恵の盃の欠片を持っているから。それに限るね。

魔獣を試験石替わりに使うのは余り褒められた事ではないから、なんだかなぁだけど。まぁ、気にしない気にしない。


本当は私も出るべき案件なんだけど予想外の来客を処理してって惟神が言うのだからそちらを優先。客の名前は通称セラフィム。

惟神曰く神々の作った全自動尻拭い機。だそうだけど。…惟神は神々の話になるとえらくトゲトゲしくなって若干苦手…ってのは置いといて。

その内の一柱、いえ一人。

杉原智人。

あの杉原清人の実の兄だそうで。

兄弟揃って化け物だなんて本ッ当に世も末な訳で。厄介ごとの匂いで鼻が曲がりそう。

全国の香水屋が厄介ごとの匂いだけで閉店してしまわないか心配で夜も眠れない…なんてことはないけど。ちょっと不味い。大分不味い。エクストリーム不味い。

よろしくない。

だから、私が智人を処理する。

そもそも私はもう人間ではないから。

私は惟神の使徒。肉体が死んでも惟神の元でリスタートが効く。

つまり実質の残機無限。

あれ、私ってチート過ぎ!?

まぁ、その分対価と時間のロスが生じる訳で。


「せめて『終不エタ』と『始点スターター』がいればなぁ」


溜め息と共にひとりごちてみる。

デイブレイク・シーカーズ第六位階『始点スターター』と第七位階『終不エタ』この二人は個人だけだと弱いがペアになると私でも手こずる。

尤もアクの強さが無ければ第二位階の『性格最低ブラックブラック』が最善なのだけれども。

そんな心強い味方が近くに居ないのが悔やまれた。

統治とか言ったの一体誰よ!

私か。


「『伏』付いてきて」

「了解っとな」




混沌とした戦場が始まる音がした。

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