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ラストバトル2

第二章完結ですー!!!

「戦化粧に血を求め(ブラッディ)が内蔵された武器か」

「ご名答。僕が戦化粧に血を求め(ブラッディ)を使わないのは使う必要がないからだね」

「クソがッ!!」


確かに対等、だなんて思い上がりだった。

けれど、それが直接の敗因になるとは思わない事だ!!

錆びた大鎌があれば咆哮ロア有声慟哭クライも使える。

ENVYもそれは変わらないが、俺の方がそれだけは上手く使えるはずだ。


咆哮ロアッ!!」

「あ、馬鹿」


体が跳ねた。勿論、俺の。

失念していた。

この武器は諸刃の刃であり確定的な自滅へのスイッチなのだ。

錆びた大鎌は使用者の精神を蝕み、狂気に陥らせる。

つまり、蝕まれた精神はENVYに吸収され、俺だけが摩耗していく。

なるほど、俺が生き残る為には技を使用しないというのが一番良さそうだ。

でも、それでは勝てない。


俺の放った咆哮ロアはENVYに当たり霧散する。

やはり発動自体には問題ないようだ。


「ラァッ!!」

「甘い!甘い!!」


そうと決まれば勝ち筋は一つ。

肉薄して咆哮ロアを当てる。

それしかない。

ならどうするか

敵は俺の完全上位互換。

性質は俺に酷似している。ならば、俺の弱点が有効な筈だ。

肉体の完全上位互換は確定。

ならば考えるべきは精神の弱点。

この戦いは俺が俺を理解した時に決まる。

となれば必然的にチャンスは一度だけ。


「!!」

「考え事とは余裕だね」


閃いた。

これなら可能性がある。

俺の特性を利用する悪魔の策略なら。

前提条件を満たさなければ。


キィィィィ!!!


金属の擦れる音が反響する。

しかも前よりも重い。速度も上がりより苛烈さをましている。

飛び散る火花の向こうからは藍色の大鎌の姿が見えた。


「くっ!」

「まだまだァ!!」


寧ろ好都合。

俺はその力を上に逃がしー手から大鎌が離れ、肉体は壁面に衝突し、クレーターを作った。

錆びた大鎌がおちるカランという音はしなかった。

どうやら第一ステップは完了したらしい。

ENVYに悟られないように勝ち筋を手繰り寄せる。

ただ、無理をし過ぎたようで足の関節があらぬ方向に捻じ曲がっている。

歩行はままならない。


天地深夜あめつちみよの藍でギブアップ?まだ、群青があるのに」

「はっ、黙れよ」


賭けに出る。

俺なら勝ちが確定したら。


「ねえ、もう一度聞くよ。宇宙を破壊しないの?」

「しない」

「じゃあ、僕に殺されて吸収されるのと自分から僕に吸収されるのなら、どっちが良い?」


来た!!

手繰る、手繰る。


「どっちも御免だ」

「そう、なら死んで」


ゼロ距離からの天地深夜あめつちみよによる袈裟斬り。


ーそれを待っていた。


天地深夜あめつちみよが深く刺さるのを承知でENVYを抱きしめる。


「なぁ、もう止めよう」

「な…」

「結局は寂しかったんだよな」

「……」

「苦しかったよな」

「……煩い」

「愛されたかったし、愛したかったよな」


「綺麗なものが見たかったし、触れたかったよな」


「ただ、それだけでよかったんだろう?それだけの事が出来ないから嫉妬してたんだろう?」


「煩い…君に何が分かる」


「分かるさ」


「あんたが…俺と同じでー」


嗤いが込み上げる。鎌が深々と刺さった腹だが、腹を抱えて笑いたかった。

抱腹絶倒必至。

やっぱり俺ってー。


「飢えた餓鬼だから」


チョロい。


湿った音が聞こる。

遂にやったのだ。


「こ、のォ。外道がァァァ!!!」


ENVYの腹部にはナイフが深々と突き刺さっている。

だって俺が刺したから。


咆哮ロア


順を追って説明しよう。

先ず俺はこれまでの象徴から執着や嫉妬が鍵になると考えた。

そして次に今あるカードを考えた。

あと数発しか撃てない咆哮ロアと意思によって姿を変える武器。


その中の意思によって姿を変える武器に着目した。俺はそれを使い、錆びた大鎌を小振りのナイフに変えたのだ。それもただのナイフではなく透明な糸が柄に巻きついているナイフだ。

俺は天地深夜あめつちみよと打ち合い上に衝撃を逃がした瞬間そのナイフに変え透明な糸を握り、吹き飛ばされ。ゆっくりENVYが距離を詰める間にナイフを手繰り寄せ隙を作り刺し殺す。


「飢えた餓鬼だから甘い言葉に弱い。飢えた餓鬼だから安い同情に流される。飢えた餓鬼だから必要以上に他人を求めたがる。全部俺の悪癖だ」


ああ、故にエンヴィー・メランコリア。


◆◆◆


こうして俺はー見事魔獣を駆逐し。




魔獣になった。

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