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アストレア2

LA軍様の活動報告にて紹介して頂きました。

この場を借りて格別の感謝を。

幻想は砕かれるものだと知った。

悪魔のような一言で。


「じゃあ、一段上げようか。『慢過』解除。モードは…『卑下慢』で良いかな」


アストレアの能力『修羅』。

効果は簡単。力量の完全把握する事で擬似的に場を支配する能力。

『慢過』これは地力を極限まで引き下げ、相手を増長させるモード。図に乗った相手を嘲るのが好きなアストレアらしい状態だ。

そして、今は『卑下慢』。地力を通常時の百分の一に落とし込みこれでもまだ上があると煽る為のモード。アストレアの狡猾さが見え隠れするモードだ。


手刀が次第に鋭さを増す。

辛うじて避けてはいるが、張り巡らされた鎖が邪魔で動き難い。

いくら小柄とは言え、大きさで言えばアストレアの方が小さいのだ。この場においての小回りの良さはアストレアが数歩勝る。

イニシアチブはアストレアが握っている。

これだれだけでどれほど恐ろしい事か!!


ガキン!!

ガキン!!


アストレアの殴打が鎖を揺らす。

その度に鳴る耳障りなノイズ、ノイズノイズ。


視界の端で鎖が一本壊れる。

そうか。

そうだった。

ここは心象迷宮。正規の進出手段が存在する。


ーこの鎖をヤツの攻撃を上手く利用して全て破壊すれば先に進めるのではないか。


この考えは案外的を射ている気がした。

アストレアは俺の行動を支配し、俺を飼い慣らしていた。それは今ここにある鎖にも似て俺を拘束していた。


動きを変化させる。

「いなす」から「弾く」へ。

「退く」から「進む」へ。


「何がしたいのかな?」

「さぁて、なんだろ、なッ!!」


鎖が弾ける。


「『我等慢』」


アストレアの速度が上がる。


「あれ、清人?弱くないかな?」

「……」


煽られても揺らがない。


「良く動く口だな。一体どこから発声してるんだ?」


俺は余裕綽々とした態度で応じる。

残りの鎖の数は十数本。

自由に動けるスペースは大幅に増え、回避の頻度も高くなった。

『我等慢』は相手と同等の力を行使するモード。


「その程度じゃ止まらない!!」

「ふうん。じゃ、『増上慢』逝ってみようか」


残り五本!!


とー口から熱い何かが溢れそうになり急いでそれを飲み下した。

鉄臭い匂いが鼻腔を抜ける。

血だ。

俺は吐血しかけたのだ。

どうして?

決まっている。アストレアだ。ヤツがペースを急に上げて俺が付いて行けなくなったのだ。


ただ、唯一の救いは攻撃の際に鎖が三本ほど切れた事だろう。

残りはたったの二本。

なのに、どうしてかその二本が限りなく遠い。


吹き飛ばされて腹を抱えて蹲る。


「弱いね」


ああ、もう。


「…ね、…すと…あ」

「うん?何だい?」

「死ね、アストレア」


近くに鎖が二本ある。

それを手繰り寄せ。


「じゃぁ、な」


噛みちぎる。


すると世界は光に包まれー俺は第二階層のを突破した。

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