ふぃにっしゅ
記念すべき30話だよ。
やったね!
俺の戦いには持続力が著しくしている。その為、短期決戦に持ち込まなければ負ける。
多対俺なら普通に勝てるだろう。
ごく、普通に。
けれど敵に限りがなければ?
無限の敵が遅延戦闘をしたならば?
負ける。
濃厚な敗北の香りがする。
敵は不死。数はスケープゴートのせいで数え切れない。
最低だ。
まだ、ここでは簒奪を使いたく無い。
では、どうするか。
動きを止める。
身体は常に再生し、実質ノーダメージ。錆びた大鎌は健在。
やってみよう。
右手の『エリー』の呪核から呪いを生成し錆びた大鎌に纏わせる。
「…築くは呪いの極み」
風が逆巻く。
髪を揺らしながら滔々と流れる水のように詠唱を始める。
「俺が放つは斬撃に非ず」
ナイフの投擲は錆びた大鎌の高周波の前に阻まれ、スケープゴートは粉微塵になる。
「それは神々が与えた罪過の証」
放つものは咆哮呪怨滅殺。
けれど、前とは違い詠唱する事で精度と威力を増した愉快な一発。
「イネイブラー」
「不可視の極光は…………」
声が出ない。
そこにはいつの間にか白兎。
役割は、補佐。キャストジャミング。
咆哮呪怨滅殺は組み上がる事なく霧散する。
愚直なヒーローの突進。
牽制するクラウン。
足場を悪化させるロスト・ワン。
視界を奪い噛み付くスケープゴート。
詠唱をさせないイネイブラー。
そしてそれらをタイミング良く戦わせる『エゴイスト』。
…勝てない。
一人じゃ、勝てない。
どうすれば…。
「なら、二人で戦う。でしょ?」
「ルピナス」
それは土壇場で望んだ愛しいモノクロの天使。
そうだ。ルピナスがいれば俺は大丈夫だったではないか。
「私が足止めする。エンヴィーは『エゴイスト』を倒して」
「おう。鬼士は死なず永劫を謳う(デモンズ・ネバーエンド)」
再生。
再生。
再生。
再生。
「『エゴイスト』ォォッ!!!」
錆びた大鎌はついに遠かった『エゴイスト』の右腕を捉える。
「プリンセスッ!!」
現出するのは彼女の娘。
けれど!!
「届けぇぇ!!!」
彼女の娘が障壁を展開する。
それを破らんとするはナイフが刺さり、ヒーローの角が太腿にささり、節々をスケープゴートに齧られながら、鎌を振るう悪魔。
パキン。
「俺の、勝ちだ」
一刀両断。
『試合終了、勝者『嫉妬』エンヴィー・メランコリア!!!』
「勝った…」




