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ばとる

今回はこんなに愉快な異世界でっ!のキャラが出ますぞぉ。

闘技祭二日目。


Aブロックー冒険者ギルド所属『黒百合』ヴィクティム・リリー対対魔連盟所属『嫉妬』エンヴィー・メランコリア。

Bブロックー冒険者ギルド所属『鬼面』ユーリィ対無所属『炎煌』ファイ。

Cブロックー冒険者ギルド所属『エゴイスト』エゴイスティック・マッド・マリア対冒険者ギルド『可憐』エリフ・エリス。


幕が上がるー。


◆◆◆


ああ、今日はすこぶる調子が良い。


「……」


どうしたんだろうか。ルピナスが何も言わない。寧ろ怯えている?

焦点が合ってない。あらら。

可哀想に。

でも、わからなくも無い。だって今の俺はー機嫌が良すぎて殺気を無差別に振りまいているのだから。

そら、そこ退けそこ退け。俺が通る。わっはっはー。


選手控え室にてベンチに腰掛け足をブラブラ。餓鬼みたいだ。

そう言えば俺は今で生後何日だったか。ま、どうでも良いか。

憂さ晴らし出来れば…。あれ?憂さ晴らしって何の?


…イライラしてきた。まぁ、良いさ。

ヴィクティム・リリーとやらにありったけの酷く個人的な感情をぶつけるとしようか。八つ当たりだ。


『間も無くAブロックの試合時刻です選手の方はステージにお上がり下さい』


歓声。ただ、それは一切俺に向いてはいない。反対側のヴィクティム・リリーに送られているのだ。

おい、俺を見ろよ。

なぁ。誰か。誰かいないのか?本当に。

あ、ルピナスがいたか。俺の馬鹿。


向かいにはヴィクティム・リリー。『黒百合』の名に恥じない黒いゴシックロリータ。ルビーの様な紅い瞳と白磁の白い肌。髪は金髪でサラサラ。で、幼女。

そりゃ、こっち応援するよな。

けれど、俺はそれを許容しない。

俺は絶対に認めない。


「貴方…どこかで会ったかしら?」

「他人の空似だ」


『試合開始!!』


「私、何故だか貴方がとても怖い。本当に会っていな」

咆哮ロア


死合は始まってる。無駄口は駄目だ。

錆びた大鎌は予め知恵の盃に顕現させておいた。


『対価はいらねえェ。が、俺を愉しませろよォ。エンヴィー』


だったか。気味が悪いな。

頼りになるけれど。


とー先手を取らせて貰ったが。

結論から言うと俺の放った咆哮ロアは反転して俺に突き刺さった。


「え、…え?致死攻撃です?」


『し、試合しゅー』


「?どうかしたか」


俺は平然と立ち上がり錆びた大鎌を構える。


「ひ、緋色の魔眼」


魔眼、効果がわからない以上潰すに限る。咆哮ロアでスタイリッシュスーサイドパレード逝ってみようか。


全てが反転して跳ね返る。

力のベクトルでも弄っているのだろうか。それだと最悪また咆哮呪怨滅殺ロア・カースドを行使しなければならないが。さて、どうしたものか。


あれ、客席が矢鱈静かだ。

成る程、そう言えば今は美少女じみた少年の体だった。それが自殺紛いの攻撃を仕掛け、再生する。

相当酷い絵面だ。


おや?ヴィクティム・リリーも動く様だ。

右手を天を指すように挙げー。


「私、棄権しますわ」


どうやら俺は勝ったらしい。

不完全燃焼だ。

胸に燻る負の感情は行き場を無くしてオロオロ出口を求めて彷徨ってる。

が、曲穿マガツ・ウガチ主催だ。大人しくー良い子にしてやろう。


ああ、俺って大人みたいだ。


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