ちゃばんをみたよ
ここから主人公が嫌な方面に進化致しますのでご容赦を。本格的に気が狂うのは次回からですが数少ない読者の皆様にストレスとなる展開の前に一言を、と思いまして。
因みに作者から見ても相当頭がおかしい…愉快な事になりますのでよろしい方は引き続きこの作品をよろしくお願いします。
第二階層には相変わらず三角形が浮遊し、人形がいた。ただこの人形はどうやら男のようだった。先の失敗を踏まえ勤めて冷静に人形を回避する。
そういえば女の人形は踊り狂っていたが
この人形の動きには一貫性がないように思える。歩いては止まりまた歩き、時には膝をつく。酷く不安定な様相を示していた。まるで、俺の様に。
第一階層の女の人形が贖罪の為に踊り狂うのに対し第二階層は違った意味がある様な気がした。
それに男の人形は綻びも無く縫い目が見えるなんてことはない。
『…アリシアは私を愛してくれるだろうか』
恋慕。そうだ、これは恋慕だ。
この心象は俺の中にサンプルがある。
恋慕からくる不安感の現象。
魔獣は人間の絶望から生まれる。つまり階層には傾向があるのではないか?
例えばーそう。恋愛絡みで絶望したらこんな魔獣になるだろうか。
しかし解せない。
では固有結界のヘッドホンを付けたイソギンチャクは何を意味するのか。
嫌な予感がする。
『追想…追想…』
視界が切り替わる。突然道化と女の人形アリシアと言ったかーが現れたのだ。敵意は…なさそうだ。
道化と男の人形は女の人形を見つめている。成る程、ありふれた三角形はこういう事か。三角関係。
がー道化は一歩引いている。
どうやら男の人形と道化は友人ないしそれに類する関係らしい。恋心を押し隠し男の人形を応援している。
道化、ね。
確かにそうかも知れない。でもヘッドホンイソギンチャクについては全く不明だ。
シーンは進む。
男が告白しようとアリシアの家に上がり込んだ時だった。
「成る程。これは絶望するな」
やっとヘッドホンイソギンチャクの傾向が分かった。これが全ての元凶の象徴。
アリシアは他の男といたのだ。
男の人形は失意のまま道化を訪ね愚痴と共に酒を飲み交わしー自殺した。
道化は絶望し魔獣になった。
絶望の中で道化は女に贖罪を望み、他の男を憎み、男は恋に悩む友人としてあって欲しかった?
『第三階層、終わりの始まり』
そしてー巨大な道化と相対した。




