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ちょうせんするよ

走る。俺によく似た少年を追って。

俺は走る。少年の無双の残滓を踏み越え。

内心を嫉妬で焦がしながらひた走る。

モノクロの地面に紅い色彩をぶち撒けながら殺到を雑踏し屍山血河を築く。


「見つけた、あれが呪核」


固有結界の先には道化が居た。その胸の中心には穢れを帯びた紅い球体、呪核。


「僕は心象迷宮に挑戦する」


少年は言った。すると少年の姿は搔き消え俺は取り残された。


「俺は心象迷宮に挑戦する」


少年の言った台詞に倣い俺も言う。


「!?」


突如として感じる浮遊感。

俺は心象迷宮に挑戦ー取り込まれたのだ。


『追想』


例の血の匂いがするプレートが心象迷宮だと主張する。


『第一階層、ありふれた三角形』


そこは無数の三角形が空中を漂う空間だった。その中を女の形をした人形が踊り狂う。


「三角形に…女?」


ただ、その女の形をした人形はただの人形ではない。口と手が縫われて動かないの人形だ。そして縫い目から覗くのは白銀に輝く刃。成る程。


「敵か」


しかし、予想に反し襲って来ない。

ただ踊り狂うだけだ。


「避けて進むのか?」


とー、踊り狂う人形の一体が俺にぶつかりそのまま転んだ。


『贖罪ヲ』


口の縫い目が次第に綻び非情に消えていく。


『邪魔シナイデ』


獰猛な白刃が煌めき肩口に食らい付かれた。しかし錆びた大鎌に攻撃されさえしなければ肉体はどうにでもなる。

人形を振り払い回し蹴りを食らわせる。

同時に肩口を再生。

しかし運が無かった。

回し蹴りで飛んで行った方向には別の人形がいたのだから。


「全て狩尽くすか。ハッ!上等だ」


ここでタガが外れた。

縦横無尽に駆け、引き裂き、切り裂き、蹴り砕き。あらゆる方法で人形を破壊した。破砕音に喝采を叫び、異音を奏でる錆びた大鎌を振るいに振るう。


『第一階層崩壊』


だからそれを見てゾッとした。

そして気付く。やり過ぎて同じ失敗を繰り返したのだと。

また俺は汚い感情に任せて人を殺したのか?そんな疑問が俺の背を這って行った。

しかしそれは杞憂だった。


『第二階層、友情の形』


プレートが出現したのだから。

そして俺は再び浮遊感を感じー第二階層に降り立った。

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