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シャングリラ探訪1

ふとあたりを見回すと、入り口入ってすぐの広場からは大通りが伸びている。大通りは、石畳が敷かれており、幅もかなりあって、馬車なんかも通っている。道の端には看板があって、中央通りなんて日本語で書かれている。

というか、この世界は日本語なのか。てっきり独自の言語かと思っていたが、それだと学ぶだけで日が暮れてしまいそうだしな、そういうのもありだろう。それに、この中央通り、人もかなりいて活気がある、目抜き通りはこうでなくちゃな。面白そうだ、行ってみようか。



大通りには様々な商店が立ち並び、呼び込みもあって、騒然としている。

キョロキョロしていると、笑顔を貼り付けた様な男が前で進路をブロックし、喋りかけてきた。

「お兄さん!今日の宿はお決まりですか?もしまだなら、いい店紹介しますよ!」

こういうのを見ると、現実でのポン引きを思い出してしまうな。とはいえ、あちらは風俗ばかりだったが。基本無視すりゃいいんだが、今目の前にいるこいつみたいに進路をブロックされると、無視もできん。ちなみに断り文句は、他の店行っちゃったんで、今から帰るとこなんですよ、だ。これで大体引き下がる。たまに、もう1発どうですか?なんて、食い下がる輩もいるが。

「いや、結構」

こういうのは、毅然とした態度で望むのが1番だ。

「そうですか、それは失礼しました!」

客引きの男はそう言うと、さっさと消えてしまった。

しかし、あれは本当にNPCか?まさかゲーム内でわざわざ客引きやる奴もいないだろうし、そうなんだろう。人工知能の発展は凄まじいな、チューリングも真っ青だぞ。

あれでは全く人間と区別がつかん。このゲーム、予想していたよりも凄そうだ。



おや、どこからか、いい匂いがするな。あそこの串焼き屋から出ているようだ。行ってみようかな?

というのも、このゲーム普通にお腹が空くのだ。お腹が空くと動きにどう影響があるのかは分からんが、ずっと食べないでいると多少の能力の低下はありそうだ。

食べても現実で太ることは無いようだし、食事制限やらダイエットに役立ちそうだが。ふむ、昼も食べていないことだし、ここで済ませよう。



「おじさん、やってるかい?」

店へ入ると店内でおじさんが肉を焼いている最中だ。

「あいよ、何にする?」

「何の串焼きだいこれ?」

「今焼いてるのはイノシシだよ、ウサギもあるぜ、どっちも1本200Gだが、どうする?」

豚かと思ったがそうかイノシシか、それにウサギ、これは旨そうだ。もう少し高いかと思ったが、良心的な値段設定だ。

「どっちも旨そうだ、両方2本ずつ貰おうかな」

「あいよ、ちょっと待ってな」



チュートリアル時にモアちゃんから貰った初期装備には財布もきちんと付いてきた。支度金は1万G(ゴールド)。この様子なら、しばくは何もせずに生きていけそうだが。

やはりどうしても金がいるな、宿に泊まる必要は無いとはいえだ。



何故なら、ログアウトは何処でもできるからだ。

そして、再ログインすると同じ場所に出てくる。だから宿は要らないと言えば要らない、一応あるらしいが。ただし、再ログインするとモンスターに囲まれていたなんてことになるかもしれないから、場所はよく選べとも、モアちゃんから聞いている。ログアウトしていようと、ゲーム内では時間は進む。ログアウトするときには周囲に敵がいなくとも、時間が経てば何かしらいる、なんてこともあるだろう。



まあつまり金がいる。金の亡者みたいな言い方だが、人間生きていくには、先立つものが必要だ。

このおじさんに少し聞いてみようか。

「おじさん、俺は今日この街に来たばかりでね、働き口を探しているんだが、何かないかね?」

「そうかい、ここはいい街だろう、働き口ってえと、この街に住むのかい?」

「いや、住みはしない。この世界を見て回りたいんだがね、先立つものが無いときてる」

「なるほどねぇ、見たところガタイもいいし、剣なんてぶら下げてるから、流れの冒険者が引退でもするのかと思ったんだが」

冒険者?やはりそういうのがあるのか。

「おじさん、その冒険者ってのを詳しく教えてくれないか?」

「おう、いいけど、その前にほらよ、焼けたぜ。それぞれ2本ずつ、4本で800Gだ」

「はいよ、800G」

「ありがとよ。それで、なんだ、冒険者の話だったか?」

おじさんの話を聞きながら、買った串焼きを食べるが、なかなかいけるなこれ。



「助かったよ、ありがとう」

「ありがとよ!また来てくれや!」

なかなか美味かったし、冒険者についても聞けた。おじさんの話をまとめるとこうだ。


・冒険者とは、モンスターを倒したり、素材を集めたりする、1つのなんでも屋みたいなもんらしい。


・冒険者は組合(ギルド)を作っていて、隣の通りに事務所がある。別に冒険者だけじゃなく、他の職業もほとんどが組合を作っているが、大体の組合が隣の通りに事務所を構えているんだと。そんなことだから、隣の通りは組合通りなんて呼ばれているらしい。


・そこに行って手続きすれば、とりあえず冒険者になれる。

以上だ。



なるほど、なら、とりあえずその組合通りに行ってみようか。他にも面白い職業があるよもや知れん。

年末に風俗街を通ると、「今年最後の揉み納め!どうですか、ひともみ!」なんて言ってる人もいました。

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