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妄想世界の先

作者: 侯華

毎日毎日同じ事を繰り返していると「夢」もみなくなる。

そんな毎日を送っていた私。「神崎 加奈」

大学生の私は、そんなに明るい方でもなく、友達も多いわけでもない。ルックスも頭も人並みはずれているわけじゃない。一人暮らしという平凡。

勉強して、食べて、寝て。それを繰り返して生きてきた。平凡な人生だった。

ある日そんな人生を狂わせた日があった。

朝。いつものように起きて、いつものように学校に行く。勉強して、ご飯食べて。

その後だった。

いつものように帰宅。テレビをつけると見た事のない番組がやっていた。

「あなたの「妄想」叶えます!妄想世界」という番組だ。

変わった番組だった。ゲストの一般人が出てくると、その人がいつも妄想してることをかなえてくれるというのだ。

私はとても心が引かれた。「こんな番組やっていたんだ」

でも信じていなかった。妄想をかなえるなんて簡単な事じゃない。芸能人と付き合ってるとか、大金持ちになっているだとか。そんな単純な考えを現実にするなんて無謀だ。「妄想」と「現実」の区別がつかなくなる。ただの騙す番組じゃないか。

しかし、心のどこかで信じている自分がいた。そしてその思いと一緒に心の奥底でおもっていた事が頭の中に流れ込んでいった。

「金持ちになりたい」

「美人になって芸能人とのスキャンダル」

「私を取り囲む男達」

そのすべてが私を妄想の世界へと引き込んだ。

「神崎 加奈」は世界に誇る会社の社長になっていた。彼氏は、「斉藤 和真」という今話題の俳優だった。机の上にはたくさんの花束。自分が分からなくなっていた。鏡を見るとそこには、見た事のない女性が立っていた。スタイルがよく、二重なきれいな顔立ち。自分だと思わなかった。

テレビの取材や、雑誌のインタビュー。その予定がたくさん入っていた。

「これは妄想なんだから好きな事やっていいんだ」とそのころはまだ正気だった。

それから毎日が楽しくなった。

浮気 ギャンブル デート ショッピング ディナー

毎日この繰り返しだった。

しかし。「神崎 加奈」は大事な事を見逃していた。

「これは妄想。現実がいつかまた。現実が待っている。」

大事な事を忘れていた。

ある日。アノ番組がやっていた。「妄想世界」

この番組には感謝していると思いながら見ていると、どこかで見た事のある顔の女性がゲストだった。

「私はアノ日。この番組を見てから・・・自分が帰ってこないんです。」

そう。それは大学生の「神崎 加奈」

社長の「神崎 加奈」は信じられなかった。「妄想」なんてこともう忘れていた。

するとアノ日からの自分がすべて消えていく。金持ち 男 顔 すべて消えていく。

しかし、現実を見ようとしなかった。その現実から逃げていた。

すると、今までの自分の現実が戻ってきた。生まれて、平凡な人生だった。しかし「アノ日」が私を変えた。

そうアノ日。アノ日私は・・・

朝家をでて、勉強して家に帰るところだった。まさか、「死ぬ」なんて・・・

そう・・・私は「死んだ」

トラックの飲酒運転・・・交通事故で・・・

「なんで私は死ななきゃいけなかったの?」

しかしなぜ?こんな妄想をしているのか?



「私は・・・もっと生きたかった・・・」

大学生の神埼加奈が言った。

「タダそれだけだった。死にたくないって思ってたら、いつの間にか家にいて、テレビ見て、こうなってた・・・これが現実」

社長の加奈は

「今までの事はすべて妄想?じゃぁ私のあなたは同じ人物なのね?・・・受け入れたくなくて。死にたくなくて。・・・私ができた・・・でも楽しかった。好きな事やって。バカやって・・・」

「本当にアリガトウ。あたしも楽しかった。行こう?加奈」

大学生の加奈は笑っていた。社長の加奈は泣いていた。

二人は手を取り合った。立ち上がって歩き出した。


あの光の中に・・・「本当の自分」を探しに・・・





どうでしょう?みなさん!!「妄想」と「現実」はしっかり区別しましょうね^^

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