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銀の腕  作者: 一人寝
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―序―

 人は誰しも皆生まれて後、避けられ得ぬ運命に立ち向かうため、あらゆる力に抗うために心に刃を持ち戦い続ける。


 この世界で人の力は極めて矮小で、不完全な肉体は傷つきやすく、脆く、儚い。


 その生物としての弱さを克服するために、人々は集団を作り互助と対立を繰り返し、その盛衰の歴史を脈々と紡いできた。


 今日、様々な淘汰を生き延びた集団は支配するものと従属するものに色分けされ、より強い者が弱い者を飲みこみ権力、財力、あるいは暴力をもって他を支配する時代を迎えて幾久しい。


 強大な力のもとに従属し生きる長らえることは容易だ。



 しかし、己の誇りと存在の証明をこの世に示すのならば、愛するものを己の手で守りたいのならば、魂の休息の場を手に入れたいならば、人は戦い続けなければならない。



 それが如何に抗いがたく、受け入れがたい現実であろうと、


 その相手がたとえ“神”と呼ばれる存在であろうとも。


 自らの同一性(アイデンティティ)を護り、掛け替えのないものを守るために。


 人は誰しも皆生きうる限り、いつかはその刃を奮い命を賭して闘う宿命(さだめ)にある。


 そうして奮い続けた刃が抗いの果てに砕かれ、肉体が滅びたとしても…。


 

 その気高き魂は楽園(エリュシオン)に迎え入れられるだろう。



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