BLACK WORLD PART1
俺は今日も朝早く起きて、学校に行って、家に帰って寝るだけの生活を送る、かと思っていた。
うつむいて学校の校門を出ようとしたその時だ。学校の周りをぐるっと一周、分厚い壁が取り囲んだ。当然俺は学校から出られなくなった。あまりに突然のことで、状況が読み込めない。呆然としていた俺の耳に、学校中のざわめきが飛び込んできた。
「どうなってんだぁー!」
「学校から出られないわー!」
学校中がパニック状態に陥ってしまった。
すると、騒ぐ生徒たちの前に何かが落ちてきた。透明なゼリー状のものだ。俺は興味本位でちかづいてみる。なんだろう、見た目ではわからない。
しかし、その物体の正体はすぐに判明することとなった。俺の背後から叫び声が聞こえてきた。
「うぉーーっ!!!熱い!!熱いぃぃぃぃ!!!!」
振り返ると、空から降ってきた物体に直撃してしまった生徒が、のたうちまわっていた。周囲の生徒は、あまりの恐怖に一歩も動けなかった。体中が溶けている。強力な酸だ。
恐怖におののく生徒に追い打ちをかけるかのように、空から大量にゼリー状の物体が降ってきた。俺の周りは地獄絵図と化した。
幸運にも俺は、直撃せずに済んだ。俺はその場に座り込んだ。
油断していた俺が悪かった。次は校舎が爆発したのだ。校門付近にいた俺は直接ダメージは追わなかったものの、飛んできたがれきで足を怪我してしまった。
「ちくしょう・・・!」
一体これは、一体これは・・・
さらに大物が、俺の目の前に現れた。とどめは、ドラゴンだ。CGでもなんでもない。荒ぶる呼吸がここまで聞こえてくる。
俺はドラゴンと目があった。ドラゴンは渾身の力で息を吸い、俺に向かって炎を吐いた。
俺はここまでだ。一体なぜこんな目に合わなければならないのか。
はたまた、これは誰かの陰謀なのか・・・
「また全滅だ。今回は中国か。」
「では、今回の最大権力は私たち中国に。」
200X年、国際連合では増え過ぎた人口を減らすことと、平等な権力を割り振るために、国際的機密となっている絶対的な科学力の下、人の命を用いた大規模なゲームが行われていた。
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