プロローグ 『小さなシアワセ』
子どもの頃のことを人はどれほど覚えているだろうか。
狭い6畳ほどの部屋、クーラーはなく地獄のような暑さに襲われていたことを思い出す。
あるのは片隅に置かれたおんぼろな扇風機のみ。
こいつは扇風機の概念を覆し、見た目高速で回っているのにそれに見合う風を送ってはこない。仕事をしたふりで済ませる人情あふれるやつだった。
それにキッチンに置かれた冷蔵庫もおんぼろかつ小さい。
中にはほとんど何もなく、細い見たこともないアイスが何本か入っている。
とんだ貧乏くじだ。こんな家に生まれて。
それでも……そこには確かに幸せみたいなものがあった……
きっとそれは母さんの笑顔のおかげだろう。
貧困の中でも笑顔でいることを諦めず、僕に接してくれていた。
大人になった今、思えば先の不安もあっただろう。
貯金をしてくれていたことを大人になってから知ることになる。
もう会えないのならあの人がくれた笑顔の分くらいは、感謝の言葉を口にしておけばよかった。
そう、後悔後に立たず……いや、先に立たずだったか。
まぁ覆水盆に返らずってやつでどれだけあとになって後悔しても意味がないのは、人類が生まれてからこれまで決して変わらない不変のものだろう。
いい思い出もいやな思い出も全部全部……
あの時流れていた濁流にでも流せたらどんなに良かったか。
僕は家賃二万三千円の安アパートのベランダで安たばこを深く吸い、そして大げさにむせながらそんなことを考えていた。
そう、母を殺したのは僕なのだ。
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