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調査資料

私は旅の最中、偶然ある集落を発見した。

花籠山と集落について調査したことをここに記す。


一、

此の集落は霊山・花籠はなごもり山の麓に在る。

山から名を取り、住民たちは此の集落を古くから花籠はなかご集落と呼んでいる。


住民たちにとって花籠山は神そのもので、生きていく中で山はなくてはならないものであると云う。

花籠山は神域で穢れを持ち込まないために、立ち入ることを禁止されている。




二、



いのち短し 恋せよ少女

 

朱き唇 褪せぬ間に


熱き血潮の 冷えぬ間に


明日の月日は ないもの



この唄はゴンドラの唄と云う。

大正に作られた歌のようで、乙女でいられる時間は短いため、思い残すことなく、恋をしなさいと云う意味合いで作られたようだ。


この唄は花籠でも唄われており、若き娘が悲しげな雰囲気で口ずさんでいるのが印象的である。


娘に話を聞くことができた。 

花籠ではお嫁に行った姉を想い、唄うのだとか。

恋い慕っていた想い人と添い遂げられなかった姉を慰める為の歌であると娘は語った。




三、

前記にて花籠山は神域とされ、穢れを持ち込まないように立ち入りは禁止されていると記した。

しかし山に唯一、入山することを許される者がいた。

それは花巫女と呼ばれる巫女のことである。 

花に籠もると書いて花籠はなごもり山と呼ばれているが、これは花巫女が一生を山に籠もって神に仕えることから、花籠はなごもりと呼ばれるようになったのではないかと、集落の長は云う。


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