六本目 ナーガ単独討伐の恩恵は偉大
入手したアイテムとかを書いてるとワクワクしてくるのは僕だけ?(・ω・)
リューセイのせいで弱く見えるナーガ。
実際は運営マジ鬼畜と言われるような存在ですからね?
ボスのドロップアイテムは直接インベントリに入るらしい。恐らくだけど倒した直後の漁夫の利防止だと思う。
さて、まずはステータスを見ておこう。しばらく見てなかったし。
―――――――
Name:リューセイ
JOB:聖法士
Lv:32(24UP)
HP:286(144UP)
MP:612(288UP)
STM:255(120UP)
STR:286(144UP)
AGI:286(144UP)
VIT:286(144UP)
Skill:【剣術】Lv6. 【無手術】Lv3. 【身体操作】Lv8. 【回復魔法】Lv1. 【火魔法】Lv2
称号:【孤高の戦士】 【孤高の僧兵】 【大蛇に認められし者】
―――――――
えーっと・・・かなりステータスが上がってる。
そういえばスキルの詳細を見てないな。
まずは剣術から
――――――
【剣術】
Lv5 アーツ《スラッシュ》
溜めなしで発動できる大ぶりの一撃
――――――
いやコレ・・・
ごめん素で出来る。
まぁ・・・普通の攻撃とは違うのかもしれない。
エイフォルトに戻ったら試してみよう。
あれ?そういえばLv5で一つ?じゃあアーツが手に入るのはLv5ごとなのかな?
無手術は・・・あ、何もないや。
じゃあ次、身体操作。
――――――
【身体操作】
Lv5 アーツ《バックジャンプ》
溜めなしの後方への跳躍。約1.5m程。
――――――
・・・いらない。
距離が短い代わりに溜めがないのが利点なのかな?
うん、正直3mくらいなら今のステータスでも出来ると思う。
溜めなしで。
えっと・・・じゃあ、回復魔法。これはLvは5に達してない。
――――――
【回復魔法】
Lv1 《ヒール》
――――――
おお!
魔法はLv5ごと、ってわけじゃないみたいだ。
詳細はないのかな
――――――
《ヒール》
HPを50回復
MP消費:40
一度発動するとしばらく発動できない。
【詠唱】詳細で表示
――――――
お、出てきたね。
僕の場合HPは244だから、5回で全回復。
でも一度使ったらしばらく使えないらしい。
回復魔法なんてものが連続して使えたら・・・
MP回復のアイテムさえあれば死なないと思うんだけど。
あ、即死なら話は別か。
まぁ、これも街に戻ってからかな。
次は、火魔法。
多分これが上がってるのは無詠唱で《ファイアジャベリン》を発動したからだよね?
一回しか発動してないのにLv2...もしかして無詠唱だから?
まぁ見てみよう。
――――――
【火魔法】
Lv1 《ファイアボール》
《ファイアジャベリン》
――――――
あれ?《ファイアジャベリン》はLv表記がない。
無詠唱で使うとLvに関係なく入手できる?
《ファイアボール》の詳細を見る。
――――――
《ファイアボール》
小さい火球を生み出す
基本MP消費:15
【詠唱】詳細で表示
――――――
まぁ名前通り・・・なんだけど。
気になるのはこの「基本MP消費」ってやつだね。
さっきの《ヒール》には「基本」の言葉はなかった。
いや・・・確か、魔法の発動は手のひらに魔力・・・つまりMPを集めることで発動する。
詠唱をするとその量も勝手に決まる。
つまり、僕は一度だけ《ファイアジャベリン》を無詠唱で発動してるから?
無詠唱なら魔力をつぎこむ量は恐らく自由。
これも街に戻ったら試してみよう。
さて・・・最後だ。一番気になっていた。
僕は、ナーガを倒したから、これが手に入ったんだろうけど・・・
――――――
称号【大蛇に認められし者】
取得方法:ナーガを適正Lvから20以上下回るLvで単独撃破
効果:大蛇の加護の入手
――――――
大蛇の加護・・・?
詳細は――
――――――
大蛇の加護
効果・物理防御力上昇
・この加護を持つ者にとっての負の状態異常に対する強い耐性
・膂力10%上昇
・蛇・竜・龍種の友好度が上がりやすくなる。
――――――
―――え?
その表示を見た瞬間、硬直した。
この効果は、異常だ。
物理防御力上昇。これは聖法士の僕にとってかなりありがたい。いや、どの職業でもありがたいと思うけど。
負の状態異常に対する強い耐性。つまり・・・恐らくだけど毒や麻痺が効きにくくなる。
膂力10%上昇。これの凄いところは、%で上がるところ。さらに、膂力という表記であること。
わざわざ腕力ではなく、膂力と書いてあるのは、腕力だけではなく、恐らく脚力も含む。
この効果は相当だろう。どれだけLvが上がっても有用性が変わらない。
そして最後。これだけはよくわからない。蛇・竜・龍種の友好度が上がりやすくなる・・・そもそもその三種はモンスターだけではないのか?いや、友好的なモンスターもいるのかもしれない、けど・・・上がりやすくなる、だから効果を実感することは少ないかも。
でも・・・これら全てが一つの称号の効果だと考えると・・・
異常な性能。
これに見合うだけのことなんだろうか・・・今度でショートにでも聞いてみよう。
とりあえず・・・エイフォルトに戻ろう。考えるのはそれからだね。
~~~~~~
[双竜の牙]に到着。
扉を開けると、カウンターにアルミリアさんがいた。
「あれ?リューセイさん、どうしたんですか?」
「え?どうしたって・・・レッサーナーガの素材を届けに来たんですが」
「ふぇっ!?」
あれ?アルミリアさんが変な声を出した。
特におかしいところはないと思うんだけど・・・
「どうしたんですか?」
「え・・・?え?っ!?え?」
いやどんだけ驚いてるの。
「ええぇぇぇぇ!?!?!」
ついに叫んだ。
「どうしました・・・?」
「はっ!す、すいません!えっと・・・本当にもうレッサーナーガの素材を入手したんですか?」
「はい?しましたけど・・・」
「うぇ・・・あ、あの、すいませんがカウンターに置いてもらえますか?」
「分かりました」
ドサドサドサッ
――――――
レッサーナーガの革×63
レッサーナーガの牙×45
――――――
「ひゃああああ!?え!?ど、どうやってこの短時間にこんなに!?」
「え・・・?むしろ途中でよりみちしちゃったので時間を多くとっちゃったと思うんですけど・・・」
結構長時間寄り道してたと思うけど・・・
「えぇ!?いや、まだ出て行ってから3時間くらいしか経ってませんよ!?」
そんなに経ってたのか・・・って、え?まだ、って。
「長くないですか?」
「短すぎますよ!?そもそもこれだけのレッサーナーガ・・・ど、どうやって?」
確かに途中はずっと走り続けてたけど・・・それでも長くかかってると思う。
「どうやってって言われましても・・・普通に剣で」
鉄の剣を取り出す。
「う、嘘・・・!?これだけの数を斬って剣がもつわけ・・・」
うん?耐久の減り方は多分だけど斬り方で変わると思うんだけど・・・
「まぁ、素材の量はこれぐらいでいいですか?」
「は、はいっ!!十分すぎます!!」
「じゃあ、報酬の方お願いします」
「あっ!そ、そうですね。じゃあまず・・・こちらを」
そう言ってアルミリアさんが差し出してきたのは、紅いダガー。
クリムゾン・ダガー。
「えっと、もう一つは、少々お待ちくださいっ!」
「分かりました」
アルミリアさんは店の奥に入っていく。
しばらくすると戻ってきた。
「えっと・・・こちらです」
アルミリアさんが手渡してきたのは、本。
かなり古そうな。
「これは・・・?」
「〈スキルブック〉です。これがこの店で一番価値があるもので・・・正直なところあれだけの枚数の価値があるかは分かりませんが・・・」
思わず目を見開く。
〈スキルブック〉・・・!こんな見た目なのか。
本に意識を集中すると、ウィンドウが出てきた。
――――――
スキルブック【付与魔法】
付与の魔法の力が込められた、中身がない本。
手に取ってその力が欲しいと念じるとただの本になり、付与魔法が手に入る。
――――――
付与魔法・・・?
どんなものか全くわからない。
これは恐らくショートが言っていたイメージするのがほぼ不可能な魔法?
どちらにしろ、役に立たないわけはないだろう・・・少なくとも報酬としては十分すぎる。
「ありがとうございます」
「いえ・・・むしろ足りないくらいで・・・あ、そうだ!」
「?」
「リューセイさんは防具が初期装備ですよね?この素材の一部を使って装備をつくらせてもらえませんか?」
「えっ、いいんですか?」
「はい!それくらいは!」
「あー・・・でも・・・」
だったら、多分こっちのナーガの素材の方がいいんじゃないかな。
「あの、こっちの素材でお願いできませんか?レッサーナーガよりも多分いい素材なので」
「え?」
ドサドサドサドサドサ!!
カウンターの上に取り出す。
――――――
・ナーガの革×28
・ナーガの牙×16
・ナーガの鱗×85
・ナーガの魔石×1
――――――
アルミリアさんが硬直し―――
「え、ええぇぇぇぇぇえぇ!?!?」
アルミリアさんがまた叫んだ。
「えっ、へっ!?こ、これどうしたんですか!?!?」
「えっと、さっき言ってた寄り道で倒したやつから手に入りました」
「た、倒したって・・・!これナーガの素材じゃないですか!!」
「?そうですね」
「そうですねじゃないです!!何でそんなこの人何を言ってるんだろう、みたいな顔してるんですか!!」
なんで分かるんだろ
「いやいやいやっ!!えっ!?あの・・・ナーガの討伐があるなんて話・・・聞いていないんですが・・・」
「え?だって・・・僕だけですから」
「ふぁっ」
アルミリアさん、さっきから硬直を驚愕を繰り返してるけど大丈夫かな?
「えぇぇぇぇぇ!?ナーガは数十人単位で挑むボスですよ!?」
「え!?そうなんですか」
「何ですかその初めて知ったーみたいな反応!!冒険者方は皆そうしてますよ!?それでもナーガが倒されたのは今まで3回だけです!!今最前線で進んでらっしゃるいくつかのギルドが集まって討伐されてましたが、その時は確か1度全滅していたはずです。冒険者の方は生き返ることができますが、私たち、この世界の住民はできないので、ナーガに挑むようなことはしませんし!!」
なんか色んな情報が出てきた。
NPCは生き返ることが出来ないのか・・・絶対に死なせないようにしないと。
っていうか・・・
「あの、初めて討伐された時の人数は?」
「確か・・・30人以上だったかと。複数のギルドの精鋭を集めていくつかのパーティを作って討伐していたはずです。そんな規模ですから・・・当然かなり計画されたやっているので私たちの耳にも入るのですが・・・後の二回も同じようなものです。そもそも最初の方たちは皆精鋭だったそうなので、むしろ後の二回の方が全滅した回数は多かったかと」
「うぇぇ・・・」
ナーガってそんな魔物だったの・・・?
確かに毒液避けれなかったらすぐに全滅すると思うし、重戦士でもナーガの攻撃を耐えれるかは怪しいところだけど。
「あの・・・本当なんですか?一人で討伐されたというのは・・・」
「はい、それは間違いないです」
「嘘をついてるようには見えませんし・・・そもそもこの量はナーガ一体分は間違いなくありますからね・・・」
あはは、と若干アルミリアさんが思考を放棄した顔で笑っている。
「え、えーっと・・・それで、その素材で装備は作ってもらえますか?」
「分かりましたが・・・その、いいんですか?私としても、こんな素材で装備を作れる機会はめったにないので頼んででもやりたいところですが・・・」
「はい。構いません。あ、できれば鎧ではなく服・・・コートとか、がいいんですが・・・出来ませんか?」
「分かりました!全力でやらせてもらいます!!あ、武器の方はどうしますか?魔石も使っていいなら、さらに強力なものになりますが。あと、どんな武器がいいとか・・・ご注文があれば」
「えーっと、刀ってこの世界にありますか?」
「ありますよ。刀でいいですか?」
「はい。魔石も使っていただいて構いません。お金はいいんでしょうか?」
「はい!先ほども言った通りこんな素材を使って装備を作れる機会はめったにありませんので・・・」
「分かりました。ありがとうございます」
「いえ!それでは、作るのに2日はかかると思うので、2日後に来てください!」
「了解です。楽しみにしてますね」
「う・・・プレッシャーが・・・いや、き、期待しといてくださいっ!」
「勿論です」
ん?そういえば自然に話してたけど・・・アルミリアさんって武器屋じゃなくて鍛冶もやってるのかな?そういえばこのお店には煙突がついてる・・・お店の奥は鍛冶場になってる、ってことか。
んー・・・カイルに挑むのいつにしようか・・・装備が出来たら来いって言ってたし、三日後かな。それまでは・・・スキルや魔法を練習しておこうか。
ま、今日はこれくらいにしておこう。かなり長時間やっちゃった。
ゲームを始める前に彰太がこのゲームは体感時間が二倍に引き伸ばされてるとか言ってたけど・・・
まぁ、今日はもう寝よう。明日学校から帰ったらまたやろうかな。
ナーガ「次もまたやろうぜ(ガクガクブルブル)」