四十三本目 ニーズヘッグ戦 ショート視点③
「――で?私たちはどうするの?」
「え?うーん・・・」
どうするって言われても・・・
「どうするんだ?」
「知らねぇよ。リーダーお前だからな?」
ごもっとも。
「エスティア、どうしたらいいと思う・・・?」
「私にふるの・・・?そもそも助けに行くなら悩んでる暇はないし、見捨てるならマルトロスまで戻るだじゃない?」
「そうなんだけどな・・・見捨てるかどうかってことなんだよ」
今回参加したのは俺達の中じゃ俺、フェンリル、エスティア、リリー・・・
他のギルドに相談した方がいいか・・・?
「ギルマス、悩んでる時間はねぇぜ?」
「その通りですね畜生め!あーもう、こうなったら・・・」
決めた・・・俺は決めたぜ!!
「よし!見捨てるぞ!!」
「引くわぁ」
「クズね」
「この流れでそれかー」
「ごめん嘘。冗談だから!」
しゃーねぇ助けに行くしかねぇ!!
じゃないと死ぬ!!(俺に対する信頼が)
「―――それぞれのギルドマスターもしくはリーダー!!俺のとこに集まれっ!!緊急作戦会議だぁっ!!!」
「了解!」
「分かった!!」
「理解した」
今回は『戦神』は参加してねぇからな・・・
あの野郎肝心な時に来ねぇんだよ!!
――――
よし、揃ったか?
「点呼するぞ!!『勇者』!」
「ユーヤだ!!」
「おいとけ!」
「『豪槍』!!」
「フレアデスだ。名前くらい覚えろ」
「めんどくせぇ!!『筋肉野郎』!!」
「牙狼だっつってんじゃ、ってこの流れもうやめねぇ?」
「嫌だ!!『聖け――」
「殺していいよね?ねぇ?」
「―――レナ様!!」
「はーい」
「蓮華さん!!」
「私は普通なんだな」
「ふざけた方がいいのか?」
「斬られたければ好きにしろ」
「すいません嘘です」
よしっ!揃ったな!!
何だお前らそのジトッとした目は!!
男に向けられても嬉しくねぇんだよ!!
「何だお前ら。言いたいことがあんならハッキリ言えや!!」
「『紅鎧』は女に弱いようだな」
「ああん?やんのかコラ」
「やめて!!私の為に争わないで!!」
そう宣ったのは『聖剣』、じゃなくてレナさん。
『豪槍』もといフレアデスと共に呆れを籠めた視線を向ける。
「冗談だよーアハハハハ!!――それより二人とも。その目は何かな?文句でもあるの?」
「「ありません」」
全力で目を逸らす。
レナさん見た目二十歳くらいの美人なのに・・・
明るい性格(に見える)のに・・・
時々ヤクザ顔負けの威圧感があるからなぁ。
そりゃあもうモンスターも裸足で逃げ出
「あれ?どこかの馬鹿――が失礼なことでも考えてるような気がするなぁ」
「何故分かっ――いえ何でもないです」
魔女め・・・!!
明るくて優しいお姉さんなんて幻想を持ってた頃が懐かしいぜ・・・
「ショート、時間がない事忘れてない?」
「そうでしたエスティア姉さん」
「黙りなさい」
解せぬ。
「さて、ふざけるのはここまでだ」
「いやふざけてたのお前だろうが」
ナンノコトカナァ
「・・・まずは陣形についてだが」
「急に真面目な話になったねぇ・・・」
「そこ!折角の俺の努力を無駄にするんじゃない!!」
こうして、俺達のリューセイ救出作戦会議、後に『アレの救出作戦とか無意味』と呼ばれる作戦会議が始まった。