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リアルチートは突然に _ゲーム初心者の最強プレーヤー_  作者: Lizard
第三章 蛇帝ニーズヘッグ
34/65

三十四本目 死霊創造

ウィンドウの境界線を―から二に変えました


【死霊魔法】で出来ることをひたすら試した。


まず、僕の魔力の半分ほどをつぎこんで召喚されたのが暗黒騎士のアーク。


それならば、と次に100ほどのMPをつぎ込んでみたところ、

召喚されたのは腐敗人(ゾンビ)だった。アンデッドの典型とも言える。



二二二二二二二二二二二


 ゾンビ Lv8


二二二二二二二二二二二


まず最初に現れたのは手。その後魔法陣から、というより魔法陣のある地面から這い出るように所々腐って部位の欠陥がある人型モンスター、ゾンビが出てきた。

そして……そのゾンビは十分くらいで崩れて死んだ。

焦ってアークの方を見たが、特に何ともなさそうだった


どうやら日照りのあるところでやったのが問題だったらしい。

まぁアンデッドだから……しょうがないね。

アークに聞いてみたところ、どうやらアンデッドでもある程度高位のものなら日光でダメージを受けたりはしないらしい。



このMP100ほどの召喚を何度か繰り返したところ、約半分の確立で骨人(スケルトン)も出てくることが分かった。

ゾンビと違って一切肉のついていない動く人骨。



二二二二二二二二二二二


 スケルトン Lv7


二二二二二二二二二二二

Lvもほぼ同じ。

ただ特性にかなり違いがある。

日光でダメージを受けるのは同じだけど、スケルトンは素早く、ゾンビは鈍い。

肉の分かな……でも肉なしで動いてるスケルトンはどうなってるんだろ。


その代わり、力と防御力はゾンビの方が高かった。

と言ってもゾンビの防御力も大したことは無いけど……


次に、魔力をさらに減らしてみた。

すると、今度は魔法が発動しなかった。

どうやらゾンビとスケルトンがアンデッドの最下級らしい。


ただ、ここまでの実験で【死霊魔術】にはデメリットがあることが分かった。

というか従魔のデメリットだね。


それは従魔がいるだけで魔力を消費してしまう、というもの。

召喚したモンスターがいる間継続的に魔力が消費されていった。

ただ、これに関しては【召喚魔法】の《従魔送帰》で解決した。

アークを別空間に移動させたところ、魔力が消費されることはなくなった……んだけど。

今度は別の問題が発覚。


二二二二二二二二二二二

《従魔送帰》

使役・テイムしたモンスターを元居た場所、または固有の別空間に送り返す

消費MP:なし

【詠唱】なし

【別空間内の従魔】1/10

二二二二二二二二二二二


《従魔送帰》の表記に【別空間内の従魔】の欄が増えていた。


 それは出来れば先に言ってほしかった……


と思ったけど、これもしょうがないことかもしれない。

よくよく考えたら、無限に従魔をつくれるはずがなかった。

【召喚魔法】がない状態で従魔が出来たらどうなるのか、ということも考えたけど、一体くらいなら魔力の消費量は微々たるもの。時間経過の回復量で賄えるくらい。

ただ、どうやら消費量は従魔の数で増えるらしく、多くのモンスターを従えた状態ではどんどん魔力が減っていく……ということみたいだ。

魔力の回復量を増やす方法があれば別かもしれないけど……


未だ魔力切れを経験したことがないから、それも気を付けないと。

要は魔法が使えないだけじゃなく、マズイことになるかもしれない。

例えば体の動きが鈍るとか……一回経験した方がいいかもなぁ。

なんでもかんでも人に聞くのは避けたいし。


そもそも別空間から召喚するのも魔力がいるし……出来ることなら常に連れ歩きたいとこだけど。

まぁ戦闘時だけ召喚、っていうのが一番いいんだろうなぁ。






しばらくの実験の結果、【死霊魔法】がLv3になっていた。

そして《死霊創造(クリエイトアンデッド)》が増えていた。

どうやら【死霊魔法】で召喚するだけでなく、アンデッドを戦わせることでもLvが上がるらしい。


要はアークとの模擬戦だね。よし、また後でやろう。

モンスターも多分、スキルとかは覚えると思うし。

まぁスキルがなくても、技術は向上する筈。

今度はもっと相手を増やそうかなぁ。



《死霊創造》はその言葉通り、アンデッド系モンスターを創る魔法だった。


ある程度モンスターをイメージした上で魔法を発動する。

けど、試しにゾンビを創ってみたら魔力の消費量が《死霊召喚》よりも少しだけ多かった。


その代わり、この《死霊創造》非常に自由度が高い。

召喚するアンデッドの種族を選ぶことが出来、見た目を多少変えれる上に、ステータスまで弄ることが出来た。

それ相応の魔力は消費するけど……

やろうと思えば『ナーガに勝てるスケルトン』とか出来るかもしれない。

……どれだけの魔力が必要なのか分からないけど。


ただ、この魔法は詠唱が存在せず、イメージが重要になる。

勿論モンスターの細部まで想像する、とかそんなことはないけど。

種族もステータスも見た目も、ゾンビの場合なら肉体の破損具合までイメージに影響される。

折角創るなら、下手な見た目にはしたくない。

ふざけた見た目になっちゃったら気の毒すぎる……




今度はアンデッドの種族として思いつくものを創ってみた。


最初に創ったのは、アークの種族名が暗黒()()だったことから「馬が必要かなー」なんて考えて馬を。

ただしゾンビみたいに肉体が腐ったような奴じゃなく、どちらかというとアークに近いタイプを。


その結果――




二二二二二二二二二二二二二

 

 黒霊妖馬(グリムホース) Lv52


二二二二二二二二二二二二二


驚愕のLv50台。

野生のモンスターではまだ見たことないLvなんだけど……

というか騎手(アーク)超えちゃってるんだけど。

力強い丈夫な馬を創ろうとしたら……こうなった。

調子に乗ってMP1500くらい使っちゃったのが原因かな。



見た目は漆黒の馬。

艶やかな毛並みを持つ美しい馬だ。

ただ、現実で存在している馬では見たことないくらい大きい。

かなり大きい体躯のアークが乗って丁度いいくらい?


アークに似合うイメージで創ってみた。

……後で実際に乗ってもらおう。

【錬成魔法】で鞍も作れるかな?



とりあえず《従魔送帰》で別空間に送った。



さて、次を創ろう……と思ったけど、魔力が足りない。

ただ、これに関しては手段を用意している。




魔力の操作に関して、実験と練習を通していくつか分かったことがある。

魔力を籠めることは、どんなものに対しても、例えばモンスター相手でも出来る。

ただ、物質に籠めた場合は物質の許容限界を超えた時点で崩壊し、魔力は霧散する。


その量は物質によって違う。基本的に丈夫なものほどその限界は高かった。

それなら生物はどうなのかと言えば、崩壊するようなことはなかった。

もっと僕の魔力が多かったらどうなるか分からないけど、多分この世界では生物に余分な魔力を発散する機能が備わってるんだと思う。


けど大切なのはそこじゃない。

相手に魔力を流し込める、ということが重要。

ならその逆はどうか。



相手に魔力を流し、引き戻す。

それも相手の魔力と一緒に。

それを自分の魔力と馴染ませ、取り込む。


そんな方法を、イベント中に試していた。

あれは本当にいい実験場だったなぁ……


ま、それはおいといて。

この方法は流した魔力量が少なければ、多くは取れない。

しかも魔力を流してる途中で反撃されて中断した場合、流した魔力はそのまま相手に渡ることになる、と思う。今のところそんなことが起きてないけどね。

ただ、これに抵抗することは出来る。

同じ様に魔力を動かして自分の中に留めればいい。

だから重要なのはこれを出来るだけ早く行うことと、相手が抵抗出来ない状況にすること。

吸収するのに時間がかかっちゃうから、一番現実的な方法は相手を瀕死にすること、または意識を奪う事。






そう、丁度今僕の目の前の、氷漬けにされたレッサーナーガみたいに。


「思ったより簡単だったなぁ・・・」


人間よりもむしろモンスターの方が厄介かと思ったんだけど。

この方法は強い相手には使えないけど……弱い相手は魔力回復ポイントになるからなぁ……

レッサーナーガは一匹一匹の魔力量は多くない。

けど三十匹分も吸収したら、僕の魔力は満タンになってた。

ついでに逢魔の魔力も。



我ながらこの方法はかなり凶悪というか……便利すぎる気がしないでもない。

それでも、使える方法は使わせてもらおう。




エイフォルトの付近、安全な場所まで戻った。

ただし、これから召喚する者の為に壁からは結構離れている。

《死霊創造》を続けよう。


次に創るのは、僕のスキルを最大限に生かせるモンスター。

正直、本当に作れるのか心配な面がある。



魔力を集めてイメージ……それだけで僕の目の前に巨大な魔法陣が現れる。

魔法が発動した途端、ゾンビと同じ様に魔法陣から腕が出現する。


しかし現れたのはゾンビの様な人型のものではなく、人間の指ほどもある爪が生え、黒っぽくくすんだ緑色の鱗に覆われた、巨大な腕だった。

しかも腕の後ろにはグラデーションのある緑の皮膜が張られていた。


鉤爪を魔法陣の外の地面に突き刺し、腕が自身の胴体を持ち上げるように曲がる。


次いで現れたのは、爬虫類のような巨大な頭。

腕と同じ鱗に覆われ、それだけで武器になりそうな鋭利に尖った牙が口内に並ぶ。

琥珀色の瞳がリューセイを捉える。


やがて現れた全体像は小さな家ほどもある。

その迫力は以前出会ったナーガに近いものがあった。



二二二二二二二二二二二二二


 不死飛竜(アンデッドワイバーン) Lv65


二二二二二二二二二二二二二


竜種としては比較的小柄ではあるものの、人間からすれば十分すぎるほどに巨大な体躯。




Lv65……モンスターは種族によって強さは違うけど……それでも間違いなく強いな。

三千以上の魔力を籠めた甲斐があった。



僕が召喚したのは、【騎竜術】のための竜種、ワイバーンだ。

アンデッドとなってはいるけど……見た目ではほとんど分からない。

まぁ、それもそのはず。欠如した部位がないワイバーンを想像したから。

しかもステータスも結構上げた、と思う。

野生のワイバーンと比べたら高いのか分かんないけど……

ゲームにおいて竜の中でワイバーンは弱い場合が多い、と聞いた(ショートから)。

まぁ、上手くできて良かった。



ワイバーンがこちらを見てくる。

先ほどから吠えることもなく、静かにこっちを見てる。

なんというか……「乗らないの?」って言われてる気分。

可愛いな……

よし、乗ってみよう。


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